上位概念を理解するために~「なかまわけ」に使っているカード教材3種

「仲間分け」は、さまざまなものをある観点から分類し、仲間どうしで分ける取組です。
たとえば、いぬ、ねこ、ライオンは「どうぶつのなかま」。つまり上位語は「どうぶつ」ですが、「どうぶつ」はさらに「さかな」「とり」「むし」などとともに、「いきもの」という上位語でまとめることができます。

このように、物事を体系立てて理解するときに『上位概念』はとても重要です。
この『上位概念』を理解するため、教室では2~3歳さんのレッスンから「なかまわけ」の取組をしています。

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『上位概念』を理解するために。「仲間分け」の取組は重要!

たとえば「自動車」と「飛行機」は、目に見える姿かたちはまったく違いますし、飛行機は空を飛ぶけど自動車は飛べない等、小さい子どもにとっては全く違うものに思えます。

しかし、どちらも”人が乗って移動するためのもの”という、目には見えないけれど、そのものを代表する重要な要素が共通しています。
そのことが理解できて初めて、どちらも”おなじなかま”だということがわかります。

また、そのような目に見えない共通項に気づいて、”同じ仲間”として認識することができても、それが「のりもの」という上位概念でくくられることは分かっていない場合があります。

「乗り物」や「果物」や「動物」というのは抽象的な概念で、そういったモノが実際にある訳ではありません。
「上位概念」というのは子どもにとっては理解するのがむずかしいと言えます。
3歳児さんに限らず年少さん・年中さん・年長さんでも意外とわかっていなかったりもします。

日常生活をとおして、具体的なモノの名前(=下位概念)の語彙は意識しなくてもどんどん増えていきますが、下位概念(モノの名前)に対する上位概念(○○のなかま)が何なのか?等、上位概念と下位概念の関係性については、意識して整理してあげることが必要になってきます。

そこで重要になってくるのが「なかまわけ」遊びです。
仲間どうしにチーム分けをするだけでなく、それが”どんな仲間”なのかを知る機会になります。
レッスンでは、次のようなステップで「なかまわけ」遊びを行っています。

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2・3歳児~年少さんクラスのレッスンでおこなう「仲間分け」の取組

 

①指定した分類基準でなかまあつめをする

はじめは、「くだもののなかまはどれ?」「のりもののなかまはどれ?」など分類基準をこちらで設定し、その基準にしたがって、たくさんのものの中からなかまあつめをします。

「くだもの」「のりもの」「がっき」などの上位語がわからない場合は、「りんごのなかまはどれ?」など、具体的なものをひとつあげてその仲間をあつめさせ、集まったところで「くだものの仲間だね」などと上位語を確認しましょう。

②自分で分類基準を設定してなかまわけする

いろんな種類のものを混ぜた中から、自分の好きなように「チームわけ」をしていきます。
子どもがこちらの意図した通りに「くだもの」「やさい」「のりもの」などと分類せず、「食べるもの」「お空をとぶもの」などと独自の基準で分類することもあるかと思いますが、それはそれでOK!とし、「こんな分け方もあるよ」とひとつの例として、ちがう分け方も教えてあげましょう。

③一度仲間わけしたものをまた別の分類基準で分けなおす

子どもがいちど分けたものを一回バラして、また別の観点からなかまわけをする「観点を変えた仲間わけ」
こちらは少しむずかしいので年少さんクラスで行っています。

たとえばりんご、みかん、ぶどうは「くだもののなかま」、トマト、にんじん、なすは「やさいのなかま」ですが、観点を変えて色でなかまわけをすると、りんご、トマトは「赤いもののなかま」、みかん、にんじんは「オレンジいろのなかま」、ぶどう、なすは「むらさきいろのなかま」と、まったく違ったチーム分けになります。

しかしながら、いったん「コレ」と決めたものを白紙に戻して、いちから別の基準で分けることは、子どもにとってはかなりむずかしくなります。

上記のような例に限らず、たとえばトランプのカードをいったんマーク(ハート、ダイヤ、クラブ、スペード)で分けたあとに別の基準で分け直させると、「数字で分ける」という考えがなかなか思い浮かばなかったりします。

仲間わけをするということは”複数のものの共通点を見つけ出す”ことですが、何を”共通点(同じ)”とみなすかによって、分類のしかたが変わってきます。観点をいろいろと変えられるということが、「思考の柔軟性」につながるのです。

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レッスンで「なかまわけ」に使っているカード教材3つ

私が2~3歳児さん~年少さんクラスのレッスンで「なかまわけ」の取組に使っている教材を3つ、ご紹介します。

 

わらべきみかの あいうえおカード プラス

わらべきみかさんのイラストがキュートな絵カード。
「あいうえおカード」なので、”あ”~”ん”までの50音のカードが46枚。
カードの裏にはひらがなと英語で名前が書かれています。

「るすばん」「えをかく」など上位概念でくくれないものもあるので、そういったカードを除いておいて分類させるか、たくさんのカードの中から「どうぶつのなかまはどれ?」「やさいのなかまはどれ?」など、こちらが分類基準を指定してあげて選ばせるとよいと思います。

わらべきみかのあいうえおカード プラス

こぐま会 きおくカード

こちらは本来「記憶」と「分類」の学習用のカード教材です。
乗り物・果物・野菜・動物・花・文房具・楽器・台所用品・食器の9つのカテゴリー×6種類、計54種類の絵カードが各2枚ずつ入っています。

2~3歳児さんならそれぞれのカテゴリー(上位概念)で分けますが、もう少し大きくなれば台所用品・食器のカテゴリーのカードを使い、「用途」(調理する時に使う、食べる時に使う)で分ける・「材質」(金属、木、陶器)で分ける、と複数の分類基準で分けてみることで「観点を変えた仲間分け」を行うことも出来ます。

きおくカード (カード教材)

リンゴ プレイ社 言葉を育てるゲーム・どれの仲間かな?

果物・動物・楽器・家具・おもちゃ・乗り物・洋服・職業の8つのカテゴリー×各4枚、計32枚の絵カードです。

このカードゲーム本来の遊び方は、各ジャンル1枚ずつの代表カードに、手持ちのカードの中から同じジャンルのカードをつなげて並べていき、早く手持ちのカードがなくなった人が勝ち、というものです。

カードを出す時に、「これは、『くだもの』の仲間のパイナップルです。」などと、言葉で”何の仲間か”を説明しながら出さなくてはいけない、というルールになっています。
各ジャンルの仲間分けがわかるようになったら、ゲームを通して定着させていくのもいいですね。

最後に

物事を体系だてて理解するのに大切な『上位概念』ですが、意識していないと意外と知らないままで過ぎてしまいます。
『上位概念』を学ぶきっかけとして、「なかまわけ」遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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