百玉そろばんを使った「繰り上がり」「繰り下がり」のやり方

お子さんが算数で「繰り上がり」「繰り下がり」につまずいている場合、

  • 繰り上がり・繰り下がりのやり方の仕組みが理解できていない
  • 「合わせて10になる組み合わせ(10の構成)」がぱっとわかるまでインプットされていない

このどちらかが原因となります。

玉が10個ずつでひとまとまりになっている「百玉そろばん」は、繰り上がりのある足し算・繰り下がりのある引き算を理解するのにピッタリのツール。

ぜひ「合わせて10になる組み合わせ」のインプットや、繰り上がり・繰り下がりの仕組みの理解に「百玉そろばん」を活用してみてください。

①「百玉そろばん」を使った、繰り上がりのある足し算の方法

【9+5の場合】

9はあと1で10になるから、一の位の5から1をもらって10をつくります。

できた10と、5から1をあげた残りの4を合わせて、答えは14となります。

これを「百玉そろばん」で実際に玉を動かしながらやってみると、以下のようになります。

①百玉そろばんの最上段の左端に9、その下の段の左端に5を作ります。
最上段の右端には玉が1個残っています。(つまり、9はあと1で10になります。)

②最上段の右端の1個を借りてきます(左端に寄せて、10を作ります)。
借りた分を、5のほうから返します。(5から玉を1個、右端に戻します。)

③すると、最上段は9と1で10、上から2段目は5から1を取って4になり、全部で14となります。
つまり、9+5=14です。

②「百玉そろばん」を使った、繰り下がりのある引き算の方法

繰り下がりのあるひき算には、引いて足すやり方(減加法)引いて引くやり方(減減法)の2つがあります。

引いて足すやり方(減加法)

【13-8の場合】

13を10と3に分けて考えます。

1の位の3から8は引けないので、10から8を引きます。

10から8を引いた残りの2と、1の位の3を足した5が答えとなります。

これを「百玉そろばん」を使ってやってみます。

①まず13を作ります。最上段が10、その下の段が3(一の位)となります。

②最上段の10から8を引く(右端に戻す)と、2が残ります。
(一の位のほうから順に8を引いていくのではなく、十の位のほうから引きます。)

③その下の段(一の位)の3と合わせると、全部で5となります。
つまり、13-8=5です。

引いて引くやり方(減減法)

【13-8の場合】

引かれる数13の一の位は3なので、引く数8を3と5に分けて、それぞれ一の位と十の位から引きます。

まず13から3を引いて10。

次に5を10から引いて、残った5が答えとなります。

これを「百玉そろばん」を使ってやってみます。

①まず13を作ります。最上段が10、その下の段が3(一の位)となります。

②まず、引く数8のうちの3を二段目から引きます。

③次に、残りの5を最上段の10から引きます。

答えは、最上段に残った「5」になります。

③「百玉そろばん」を使った、10の構成(合わせて10)のインプット

最終的には百玉そろばんなどの具体物を使わずに、頭の中で数を操作し「繰り上がり」「繰り下がり」ができるようにならなければなりません。

そのためには、「合わせて10」になる数の組み合わせ(10の構成)がぱっとわかるようにインプットされていることが必須となります。

そこで、百玉そろばんを用いて「合わせて10」(10の構成)を視覚的にインプットする方法をご紹介します。

 

①まずは百玉そろばんの玉をすべて右に寄せます。

 

②「10の階段」を作ります。上から1段目は1つだけ左に寄せます。
 2段目は2つ、3段目は3つ・・・・
10段目は10個全部を左に寄せます。
 これで、「10の階段」が出来ました。


③次に1段目から、「1と9で10」と言いながら、左端と右端の玉を両手で真ん中に寄せて合体させます。

同様に、2段目「2と8で10」、3段目「3と7で10」・・・10段目「10と0で10」まで行います。

実際に玉が合わさって10のかたまりが出来るイメージが、頭の中で数を操作する基礎になります。

最後に

お子さんが繰り上がりのある足し算・繰り下がりのある引き算につまずいている場合は

  • 繰り上がり・繰り下がりのやり方の仕組みが理解できていない
  • 「合わせて10(10の構成)」がぱっとわかるまでインプットされていない

のどちらか。

もし、やり方がしっかりと理解できていない場合は、百玉そろばんを用いた①②の方法でしっかり理解をうながし、10の構成が定着していない場合は、③の方法で視覚的にインプットをしてあげてくださいね。

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