「数の多少の比較」とは、どちらの数が多いかをくらべること。
りんご3個とみかん4個、どちらが多いかをくらべるには、ものの種類にかかわらず、「数」という要素だけを取り出して比較する必要があります。
また、ゾウ1頭とアリ1匹ではどちらも「1」ですが、見た目の大きさにとらわれて、どちらも同じ「数」であるということがわからなくなってしまいがちです。
たとえ色やかたち、大きさなどが違っても「1は1」であることを理解するのは、小さい子どもの場合なかなかむずかしいのです。
今回は、おうちで手軽にできる「数の比較」を学べる遊びをご紹介します。
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「数の比較」を学べる、2〜3歳児さん向けの取り組み2種
「数の比較」を学ぶ①同じ数を見つけよう
まず、取り入れたいのが「同じ数」を見つける遊び。
最初は、”同じ絵で同じ数”のものを見つけることから始めます。
うまくできたら、次は”違う絵で同じ数”のものをマッチングさせます。
種類が違っても「数」は同じ、ということの理解につながります。
レッスンでは、このようなカードを使って「違う絵で同じ数」を見つける取組を行っています。
ちなみに、この「同じ数を見つけよう」の取組で使えるような、違う絵で同じ数のカードが揃っているものは知育教材でもあまり見かけないため、常に探しているのですが・・・
ちょうどよいものが見つからなければ、手ごろなサイズの白紙カードにシールを貼って、手作りしてもいいですね。
こちらは、名刺くらいのサイズのカードで100枚入りです。
白紙カード(ミニ)
貼るシールは、100均で売っている丸型のラベルシールで、大きさや色を変えて作ってもいいですし、お子さんが好きなものの絵柄のイラストのシールで作れば、楽しく取組ができそうですね。
「数の比較」を学ぶ②どちらが多いかな
レッスンでは「同じ数」を見つけるだけでなく、大・中・小と大きさの違うクマさん(七田『くまのひもとおし』)を使って、見かけの大きさにまどわされずに「どちらが多いか(数の多少)」をくらべる取組も行います。
くまのひもとおし
遊び方は、クマさんをいくつかずつのかたまりにして机の上に出し、「どっちが多いかな?」を考える、というもの。
選んだあと、実際にくらべて確かめます。
最初は、同じ大きさのクマさんから。大きさが同じなので、見かけの大きさで選んでも、数の多いほうと一致します。
大きさの同じもので何回か行ったら、今度は大きさの違うクマで行います。
2~3歳さんの場合、たいていはカタマリの大きさに惑わされて、大きいクマのほうを選びます。
でも実際に比べてみると・・・
アレ!?こっちのほうが少なかった・・・
また同じ大きさのクマさんを用いて、写真のように間隔を空けて並べたものと、間隔をつめて並べたものとで数を比較してみます。
こちらも、ぱっと見で広がっているほうが多いと思ってしまいがちですが、1つずつ対応させて比べてみると、数は同じだとわかります。
それぞれのものをきちんと並べることで、自ずと1つと1つが対応し、どちらが余っている(=多い)か、もしくはどちらが足りない(=少ない)かがわかります。
上でご紹介した取組を何度も行ううちに、だんだん「量の”多さ”と、数の”多さ”とは別モノらしい」ということに気が付いてきます。
なお、こちらの取組は「多いほうを選んだ人が勝ち!」というゲーム形式にすると意外と盛り上がります!
子どもに先に多いと思うほうを選ばせてから、「じゃあ、先生はこっち(子どもが選ばなかったほう)ね。どっちが多いか確かめてみよう!!」と実際にくらべてみます。
勝敗を確かめるためにはしっかりと数を数えなければなりませんので・・・
普段は「数えるのめんどくさい・・・」みたいな感じで、4以上は「たくさん」とひとくくりにしてしまう子も、こちらが何も言わなくても自ら一生懸命数える、という効果もあります。
お子さんが「まだあんまり数に興味がない」「無理やり数えさせようとしても嫌がってやらない」という場合にも、”数と向き合う”必然性のある遊びの一つとしてぜひ取り入れてみてくださいね。
最後に
量的に「どっちが多い?少ない?」をくらべるのは、生活の中で自然にできていくもの。
しかしながら、数の「多い・少ない」の比較については、教えなくても自然にできるようになる、というものでもないのです。
遊びを通して楽しく、「数の多少の比較」を学んでいきましょう。
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