助数詞(数え方の単位)の教え方で気をつけることとは?

『助数詞』とは「○個」「○本」「○匹」など、ものの数を数える時に使う日本独特のことば。

500種類くらいの助数詞があるそうですが、日常的に使うものはそれほど多くはありません。
また「カーテン→一張」「たんす→一棹」などのむずかしいものを幼児のうちに覚える必要もありません。

とはいえ500種類もの助数詞があること自体、日本語の表現の豊かさ・奥深さ・繊細さのあらわれでもあります。

また”正しい数え方”は一般常識。ぜひ、幼児さんのうちからしっかりと正しい助数詞を使えるようにしていきたいものです。

スポンサーリンク

子どもが『助数詞』をおぼえるのは難しい。

そもそも、子どもが『助数詞』をおぼえて正しく使いこなすのはとても困難なこと。
その理由について、今井むつみ・針生悦子 著『言葉をおぼえるしくみ』より、簡単にお伝えします。

そもそも助数詞は、名詞(「もののなまえ」をあらわす言葉)を分類する言葉です。
そのモノがどのような役割・特徴をそなえているかをあらわすことで、名詞の意味をおぎなっています。

また助数詞は、特徴助数詞と種類助数詞に分けられます。

*特徴助数詞・・・形や大きさなど、モノの見た目の特徴が分類の基準になっている。
(例:〇本→細くて長いモノ、〇枚→平たいモノ、〇個→細長くも平たくもないモノ など)*種類助数詞・・・数えるモノの種類に対応づけられる。
(例:〇匹→生き物、〇冊→本や雑誌、〇棟→建物 など)

特徴助数詞の例の1つ「〇本」で数えられるものは、鉛筆・野球のバット・電柱・フォーク・バナナ・・・というように、まったく違うカテゴリーに分類されるものにまたがっています。

また特徴的助数詞である「〇匹」は生き物の数をあらわすのに使い、人やモノを数える時には使いませんが、同じ犬を数える場合でも小型犬は「〇匹」なのに大型犬は「〇頭」と数える、またチョウやクワガタのように、通常「〇匹」と数えるような小さな生き物でも、希少なものについては「〇頭」と数える場合もあります。

このように助数詞は、通常モノを分類するときのカテゴリーを横断して使われることがあります。

そのため、幅が広くまとまりのないカテゴリーの中からそれらの共通事項を見つけ、「こういうモノを数えるときには〇本、という数え方を使うんだ」などと理解するのは簡単なことではありません。

それゆえ、子どもにとって助数詞を正しく使い分けることは非常にむずかしいのです。

子どもは2歳頃には「〇個」「〇つ」などの汎用性の高い助数詞を使い始めますが、それ以降、子どもが使える助数詞の種類はなかなか増えていきません。

しだいに「〇匹」「〇本」「〇枚」など、その他の助数詞も使うようになっていきますが、これらを正しく使いこなすのは5歳になっても難しい、とのことです。

一方で「〇人」(人)「〇台」(自動車類)など、特定のモノのカテゴリーに対応する助数詞の方が、正しく使えるようになりやすいことがわかっています。

『助数詞』を教える時に気をつけること

基本は、日常会話の中で意識させる。

例えば、以下のような助数詞に関するプリントの問題があります。

下の絵の中で、
①1個、2個と数えるものに赤色の○をつけましょう。
②1まい、2まいと数えるものに緑色の○をつけましょう。
③1本、2本と数えるものに青色の○をつけましょう。

上で述べたように、子どもは、こちらが思っている以上に正しい助数詞がわかっていないもの。
たいていのものは「1こ、2こ・・・」と数えてしまいがちです。

とはいえ「1本、2本」や「1枚、2枚」くらいはわかりそうなものですが、わからない子も多いのです。

では、「助数詞」の正しい使い方、年少さん・年中さんのうちはわからくても年長さんになればわかるようになるのかというと・・・必ずしもそういう訳ではありません。
知らなければ知らないままで小学生になります。

小学生でも、算数の文章題で答えに単位(助数詞)を書く時に、「○人」なのか「○匹」なのか「○羽」なのか・・・悩んでしまう子も多いです。
(まあ、算数の文章題の場合は問題文を読めば単位も書いてあるのですがね・・・)

そんなわけで、助数詞については意識をして教えてあげる必要があります。
とはいえ、上記のようなプリント教材をどんどんやらせて覚えさせれば良いのかというと、そういうわけではありません。

あくまでも、日常生活の中でお母さまをはじめとする大人が、正しい助数詞を意識して会話をすることで自然と助数詞に親しむことが基本です。

「助数詞」を意識するようになると、いろいろなものの数え方が気になってくると思います。
中にはお母さまでも数え方がわからないものあると思いますが・・・

こちらの記事(大人も知らない知識が満載『数え方のえほん』で正しい助数詞の知識を学ぼう。)で紹介している『数え方のえほん』などを常に身近に置いておき親子で調べてみると、いっそう「ものの数え方」への理解と興味が深まりそうですね。


数え方のえほん [ 高野 紀子 ]

関連記事

「○個」「○本」「○匹」など、ものの数を数える時に使う日本独特のことば『助数詞』。 助数詞には500種類ほどもあるそうですが、日本語表現の豊かさ・奥深さを象徴するものとして、ぜひ正しい助数詞を使えるよう幼児さんのうちからしっかりと教えてあ[…]

「同じ数え方をするもの」を考えてみる。

上記のプリント問題であれば「1枚、2枚」と数えるものは「お皿」「はがき」「はっぱ」ですが・・・

正しいものに○をつけて終わり!ではなく、「他に、1枚・2枚・・・と数えるものはあるかな?」と、同じ数え方をするものが他にないか考えてみましょう。

「ハンカチ」「折り紙」「ティッシュペーパー」など、それら「1枚・2枚」と数えるものの共通点(似ているところ)を考えさせます。

すると、「うすっぺらい」「ペラペラ」「ひらべったい」などが出てくると思います。
つまり、そういった特徴のあるものを数える場合には「1枚・2枚」を使うことがわかります。

「1本・2本」は、上記の問題ですと「かさ」「にんじん」「木」ですが、他にも「えんぴつ」「バット」「だいこん」などがあります。こちらは「細くて長いもの」ですね。

日常会話の中で「〇本」と数えるものの共通項(細くて長い)を子ども自らが発見することは、「かさ」「にんじん」「木」のように複数のカテゴリーにまたがっているため難しくなります。

プリント学習などをとおして、同じ数え方をするものの共通点を考えてみるきっかけを与えてあげましょう。

いろいろなものの数え方の単位を知り、そのものの共通点を知ることができれば、もののようすによって数え方が決まっていることがわかり、正しく助数詞を使えるようになることにつながります。

最後に

日本語の表現の豊かさ・奥深さ・繊細さのあらわれでもある『助数詞』。
参考になる絵本なども取り入れつつ、幼児さんのうちからしっかりと正しい助数詞を使えるように意識していきましょう。