「ひらがな」の読み書きについて
- 子どもがなかなか「ひらがな」を読めるようにならない
- 何歳までに読み・書きができるようになるべき?
- ひらがなの上手な教え方がわからない
などなど・・・疑問や不安を持たれているお母さまも多いのではないでしょうか?
ひらがなの読み書きの習得についてはかなり個人差がありますが、興味を持ち出したらあとは早いので、他のお子さんと比べてあまり焦らなくても大丈夫。
大事なのは「ひらがな」を教えるときのステップを理解して、段階を踏んで教えることです。
今回は、2歳~6歳クラスのレッスンで取り入れている取組を参考に、ひらがなの読み書きの教え方のステップをご紹介します。
スポンサーリンク
ひらがなの「読み」の教え方 3つのステップ
ひらがなの「読み」ができるようになるステップは以下のとおり。
①ひらがなに興味を持つ
➁1文字ずつ読める(単音読み)
③言葉のまとまりでスラスラ読める(単語読み)
このステップにそって、段階的にすすめていきましょう。
①ひらがなに興味を持たせる
まずは生活や遊びの中で「ひらがな」に触れる機会を増やし、文字に興味を持つきっかけを作ります。
絵本の読み聞かせ
ひらがなの読み書きができるようになるためには、まずは「文字」というものの存在に気づくことが必要。
絵本を読んでもらっているときに、ページにかかれている小さな黒いものが「文字」であり、誰がいつ読んでも同じ音になるということが、「文字」というものが「音」を示していることを理解することにつながります。
絵本を読んでもらう体験は、親子のコミュニケーションという意味はもちろん、”文字の認識”という意味でも重要です。
なお、私が教室の2歳児さんクラスで取り入れているのが、いもとようこさんの『あいうえおのえほん』。
数ある“あいうえお絵本”の中から、私がこの、いもとようこさんの『あいうえおのえほん』を選んだ理由は、以下の記事でご紹介しています。
※関連記事:いもとようこさんの『あいうえおのえほん』を、数ある「あいうえお」絵本の中から選んだ理由
お子さんが”ひらがな”を学ぶ第一歩となる「絵本」。書店の店頭には、さまざまなあいうえお絵本がならんでいますよね。 そんな中、教室の2歳児さんクラスで取り入れているのが、いもとようこさんの『あいうえおのえほん』。 […]
あいうえお表を貼る
ひらがなに興味を持たせるには、自然に「ひらがな」が目に触れる環境を作ることが大事。
リビングやお風呂などに貼って視覚からのインプットを促し、また子どもが興味を持っているようなら読んで聞かせてあげましょう。
あいうえお表は、キャラクターものなど色んな種類のものが販売されていますので、お子さんの興味のありそうなものを選びましょう。
ひらがなを題材にした遊びをする
かるた遊び
まだひらがなが読めない2歳児さんでも「かるた遊び」ができます。
「あひるさんの”あ”はどれかな?」などと絵を手がかりにその文字を探すことで、遊びながら”ひらがな”に親しむことを目指します。
いきなり全部のカードを使って遊ぶのはむずかしいので、まずは「あ」行の5枚だけなど枚数を減らして行い、少しずつ増やしていきましょう。
※関連記事:ひらがなの練習のみならず、いろいろな知的能力が身につく遊び~「かるた」
お子さんが「ひらがな」をおぼえるための遊びとして思い浮かぶのが『かるた』。 しかしながら、お子さんが文字が読めないうちはかるたでは遊べない、と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。 でも実は、まだひらがなが読めない2歳児さんく[…]
絵合わせパズル
2歳児さんにぴったりの「絵合わせパズル」。2・3分割の絵合わせパズルは
- 一部を見て全体を類推する力
- 絵のつながりでパズルを完成させる図形認識力
- 目当てのカードを見つける注意力・観察力
などをやしなってくれる遊びですが、絵だけでなく文字でそのものの名前が書かれているパズルを使って「ひらがな」に親しむことができます。
『まなびっこ やさい くだものカード』
28種(56枚)の野菜・果物のカードが入っています。
またカードの裏には、それぞれの野菜や果物のマメ知識が書かれています。
同じシリーズで「どうぶつ」や「のりもの」もあります。
『たべものあわせ やさいとくだものわかるかな?』
絵合わせ”カード”というよりは2ピースのパズルのような感じ。
カードの裏にはひらがな・カタカナで野菜・果物の名前が書かれています。
フラッシュカードを見せる
右脳が優位に働き、なんでもインプットしてしまうこの時期は、右脳に働きかけるフラッシュカードの取組も有効。
見せる枚数(文字数)は1回につき5~10枚でOK。
例えば今日は「あ・か行」→次の日は「さ・た行」というように、日々新しいものを見せていくほうが、子どもの好奇心と学習意欲が満たされるため効果的です。
テンポよく行い、ばっと見せて「はい、おしまい。」と、子どもがやめたいと思う前にやめるのが、子どもの興味を失わずに継続できるコツ。
はじめはひたすらインプット(フラッシュして見せる)を行い、文字によって読めるようになってきたらアウトプットで定着させていきましょう。
↓
アウトプット(選ばせる)・・・「ママの”ま”はどっち?」など、2枚から選ばせる
↓
アウトプット(言わせる)・・・「これはなんて読む?」と、カードを見て文字を読ませる
なお七田の『ひらがなカタカナカード』は、
単音(表:ひらがな1文字、裏:カタカナ1文字)
単語(表:絵と文字、裏:単語)
の2種類が入っており、単音読み→単語読みへステップアップすることができます。
「あいうえお」の歌を聞かせる
子どもは、見たものを記憶する「目」からの記憶よりも、聞いたことを記憶する「耳」からの記憶が優れているからです。
「あいうえお」の歌はいろいろありますが、2歳児さんにおすすめなのが七田のCD教材「言えるかな」。
☆七田式(しちだ)(絵本+CD)教材☆ 言えるかな?第1集☆★
☆七田式(しちだ)(絵本+CD)教材☆ 言えるかな?第2集☆★
『言えるかな』は生活に欠かせない言葉を歌で自然におぼえることを目的としたCD教材。
五十音をはじめ濁音、拗音(ねじれた音。きゃきゅきょ等)、促音(つまる音。ちいさな“つ”)などの「もじ」や「ことば」に親しむ歌、季節の行事や十二支、月雅称などの生活に欠かせない知識に関する歌などが収録されています。
「あいうえお」の歌を聞いて「ひらがな」に興味を持たせるだけでなく、小学生でも正しく知らないことが多いような知識を理屈ぬきにインプットすることができます。
➁1文字ずつ読む(単音読み)
少しずつ読める文字が出てきたら、単音読み(1文字ずつ読む)→単語読み(言葉のまとまりで読む)までを細かいステップで段階的に取り組める『チューターシステム』がおすすめ。
レッスンでも、2歳~6歳まで幅広く取り入れています。
チューターシステムを使った単音読みの取組は以下のとおり。
①したの もじで はじまる えを みつけましょう。(もじと もじを あわせる)
左ページに書かれている文字を読んで、その文字で始まるものの絵を右のページから探す問題。
右ページの絵のところには文字も書かれているので、文字の形を手掛かりに同じものを見つけることができます。
この取組の目的は、最初に、問題となるひらがなを1文字読みすること。
まだ読めない文字は、読んで聞かせてあげます。
(左ページ)
(右ページ)
②したの えの はじめにくる もじを みつけましょう。
左ページの絵のはじめの文字を、右のページから探す問題。
左ページの絵には文字も書かれているので、文字の形で同じものを見つけることができます。
この問題の目的は、たくさんの中から目当ての文字を探すこと。1文字ずつ書かれた文字を読むよりもむずかしくなります。
(左ページ)
(右ページ)
遊び感覚で学べる知育教材 チューターシステム セット1「文字・数・知恵」
③言葉のまとまりでスラスラ読む(単語読み)
大体の文字が単音読み(1文字ずつ読む)できるようになってきたら、少しずつ単語読み(言葉のまとまりで読む)に取り組んでいきます。
上でご紹介したチューターシステムでの単語読みの取り組みは以下のとおり。
③ことばに あう えを みつけましょう。
左ページに書かれた言葉を読んで、合う絵を右ページから見つける問題。
問題となる言葉を読む(単語読み)のが目的です。
(左ページ)
(右ページ)
⑤えに あう ことばを みつけましょう。
左ページの絵を見て、そのものの名前を右ページから見つける問題。
右ページには文字のみで絵の手掛かりがないため、ひらがながスラスラ単語読みできないと、一人で目当ての言葉を見つけるのは大変。
全部が読めない場合は、知っている文字を手掛かりに探します。
むずかしい場合は「いちばん上の段にあるよ」などとヒントを出してあげましょう。
(左ページ)
(右ページ)
なお、チューターシステムを使ってひらがなの読みを段階的に学ぶ取り組み内容は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
※関連記事:チューターシステムたのしいもじあそび:ひらがなの読みを段階的に学べるおすすめ教材
『チューターシステム』は七田(しちだ)をはじめ、さまざまな幼児教室でも使われている知育教材。 テキストの問題に沿って答えのところにチップを置いていき、全問正解だとキレイな模様ができあがる!という仕組みが子どもの興味を引き、人気のある教材で[…]
ひらがなの「書き」の教え方 5つのステップ
ひらがなの「書き」の習得ステップは以下のとおり。
➁筆圧をつける・運筆の練習
③文字を書く
④”ことば”を書く⑤文を書く
ポイントは、文字をいきなり書かせるのではなく、うまく書けるようになるための下準備をすることです。
①指先の巧緻性をやしなう
年齢が小さいうちは、指先を使う遊びをたくさん取り入れましょう。
親指・人差し指・中指を上手に使ってものをつまむことは上手な鉛筆の持ち方につながり、スムーズに鉛筆書きに移行することができます。
また指先を使うことは器用さをやしなったり、脳を活性化することにもなりますので、ぜひたくさん行いましょう。
指先の巧緻性を高める取り組みには以下のようなものがあります。
折り紙
「折り紙」は、指先の器用さだけでなく図形センスをやしなうことができる素晴らしい遊び。
とはいっても、小さいうちは「折らない」ところから始め、紙を使った遊びで指先を使いながら少しずつステップアップしていくことができます。
※関連記事:1歳からできる!はじめての「折り紙」へのステップ
「折り紙」は、実際に手を動かしながらさまざまなかたちに触れることで、指先の巧緻性と図形のセンスが磨かれるすばらしい遊び。 できれば、お子さんが小さいうちから折り紙あそびを取り入れてあげたいものです。 今回は、折り紙を折るのはまだちょ[…]
はさみ
子どもははさみに興味深々でも、危ないから、という理由ではさみを持たせることに躊躇されている方も多いかと思いますが・・・
しっかりとした「おやくそく」と親御さんの指導のもとで「はさみ」を使えば問題なし。
はさみで上手に切れるようになるためのステップを踏まえて、器用さをやしなうとともにお子さんに達成感を持たせてあげましょう。
「はさみ」の練習5つのステップ
①紙を切る前に~はさみの持ち方・使い方の練習
②1回切り
③直線切り
④曲線切り・波線切り
⑤直角切り
この5つのステップで「はさみ」の使い方を教える方法を、こちら↓の記事でご紹介しています。
※関連記事:はさみの使い方、子どもへの教え方は?2歳から始めるはさみの練習5つのステップ
「子どもにはさみを使わせるのは何歳から?」という疑問を持たれる方も多いと思いますが、私の教室では2歳児さんクラスから、レッスンではさみを使う取組を入れています。 はさみで上手に切れるようになるためのトレーニングにはステップがあります![…]
ひもとおし
「ひもとおし」は、幼児さんの巧緻性をやしなう定番の知育あそび。
ただ好きなように自由にひもを通すだけでも良いですが、色や大きさの順番を意識して行うなど、幼児期に身につけておきたい概念を取り入れて行うことで、さらに知的効果をUPさせることもできます。
※関連記事:七田(しちだ)の超おすすめ教材「くまのひもとおし」2歳さんからの活用方法
七田の「くまのひもとおし」は、指先の巧緻性を高めて脳を活性化するだけでなく、さまざまな知育に活用することができる超おすすめの教材。 教室でも2歳児さんから年長さんまで、レッスンのあらゆる場面で活用しています。 今回は七田の「くまのひ[…]
※関連記事:巧緻性を高める「ひもとおし」は、“系列”も意識して
巧緻性を高め、脳を活性化するあそびとしてポピュラーなものが「ひもとおし」。 ひらすらひもを通して遊ぶだけで、指先の器用さをやしない脳を活性化してくれる「ひもとおし」ですが・・・・ ひもとおしの教材や遊び方を工夫することで、”さまざまなも[…]
シール貼り
「シール貼り」も、手軽にできて、子どもが大好きな知育あそびの定番。
シール自体やシールブックは百円ショップなどで安価に入りますし、シール貼りの台紙として無料のダウンロード素材を提供してくれているサイトもたくさんありますね。
こういったものを利用するのもいいですし、台紙をパソコンで作ったり、手描きしたりも比較的かんたんにできます。
またシールをただ貼るだけでなく、少し意識して行うだけで「シール貼り」の知育的効果がグンと上がります。
※関連記事:2歳からのシール貼り、知育効果を高める5つのステップ
子どもが大好きな「シール」。シール貼りは、指先を使うことで器用さをやしない、脳を活性化することができる遊びです。 台紙からはがして・貼るだけでも知育になる「シール貼り」遊びですが、お子さんの発達段階に合わせて難易度を調整してあげたり、[…]
ピンセット・おはし遊び
ピンセットを親指・人差し指・中指の3本でつかむ持ち方は、正しいえんぴつの持ち方につながります。
まずはピンセットで、ビーズや大豆などの小さいものをお皿からお皿へあけ移す遊びをしてみましょう。
ピンセットで上手にできるようなら、おはしを使って同様にやってみましょう。
おはしでつかんだものを崩れないように積み上げるなど、ゲーム的要素を取り入れたおはし練習用のおもちゃもありますので、取り入れてみるのも良いですね。
※関連記事:はしの持ち方の練習は~レッスンで使っている「おはし」と練習用のおもちゃ
お子さんが2~3歳くらいになると、そろそろ「おはし」が正しく使えるようになったほうがいいのでは・・・と気になってくるお母さまも多いのではないでしょうか。 今回は、おはしの練習の前に取り入れたい「ピンセットあそび」と、レッスンで使用して[…]
➁筆圧をつける・運筆の練習
文字を書く前に、クレヨンや三角えんぴつを正しく持って、線を書く練習をします。
上記のような巧緻性をやしなう取組で、指先をうまく使うトレーニングをしながら、並行して線描きの練習をします。
せんがきは、直線(たて・よこ・ななめ)→角のある線(直線の途中で曲がる。ひらがなの”く””へ”のような線)→ジグザグ→曲線(まる、波線、うずまき、ねじる)のように、徐々にむずかしいものにすすみます。
上手に書けるようになってきたら、「めいろ」や「てんつなぎ」にもチャレンジしましょう。
③文字を書く
ひらがなプリントを使って、実際に文字を書いていきます。
五十音順ではなく、「し」「つ」「く」など、画数の少ない文字からはじめて、徐々に画数の多いむずかしい文字にすすんでいきます。
なお、間違った書き順がクセになってしまうと後から修正するのは大変ですので、このタイミングから正しい書き順を意識していきます。
2~3歳 かいてけせる ひらがな (学研の幼児ワーク)
3~4歳 かいてけせる ひらがな 新装版 (学研の幼児ワーク)
④”ことば”を書く
ひらがなを1文字ずつ書くのではなく、クロスワードパズルなどで”ことば”を書く練習をしていきます。
文字書きの練習だけでなく、ひらがなをおぼえるのと同時に、ことばを増やしていくことも目的としています。
お子さんがまだ一人で書けない文字は、お母さまが手を添えて書いたり、うすく書いた文字の上をなぞらせてもよいですが、見本の字を大きめに書いてあげ、それを見ながら書かせるようにすれば上手に書くことができますよ。
なお、教室では以下のドリルを取り入れています。
⑤文を書く
「てにをは」などの助詞を正しく用いて、主語と述語の整った文を作る練習をします。
教室の年長さんでも取り入れているくもんのドリル「ぶんのおけいこ」は、以下の3つのステップで、基本的な短い一文を正しく書けるように練習することができるドリルです。
1.くっつきことば(助詞)の使い方
「ねこといぬです」「ひまわりのはなです」などの文を読みながら書き、くっつきことばの正しい使い方を覚える。
2.助詞の「を」と「お」、助詞の「は」と「わ」の書き分け
「かおを あらいます」「おなかを たたきます」など、「を」と「お」、「は」と「わ」を正しく書き分ける。
3.文の基本形の練習
「なにがどうする」「なにはどんなだ」「なにはなんだ」の、3つの形の文を、くり返し読んだり書いたりして身に着ける。
まとめ
ひらがなの「読み」の教え方 3つのステップ
①ひらがなに興味を持たせる
➁1文字ずつ読める(単音読み)
③言葉のまとまりでスラスラ読む(単語読み)
ひらがなの「書き」の教え方 5つのステップ
①指先の巧緻性をやしなう
➁筆圧をつける・運筆の練習
③文字を書く
④”ことば”を書く
⑤文を書く
ひらがなの読み書きができるようになる時期については本当に個人差が大きいですが、まずは文字に興味をもたせるような環境ときっかけを作ってあげることが大事。
お子さまの今の状況に合わせて、日常生活や遊びの中で自然に・楽しく”ひらがな”を取り入れてあげてくださいね!
スポンサーリンク