お子さんが幼稚園・保育園に入園すると、「そろそろうちの子にも何かドリルやプリントなどをやらせたほうがいいのでは?」と考え始めるお母さまも多いのではないでしょうか?
実際、正しいえんぴつの持ち方ができ、一人でしっかりと机に向かえるようになる3歳くらいの時期は、おうちでのプリント学習を始めるちょうどいいタイミングです。
しかしながら、書店に行けばたくさんのドリル・プリントが並んでいて、「どれを買ったらいいのかわからない~」と悩んでしまいますよね。
そこで今回は、私が年少さんクラスのレッスンで使用しているドリル・プリント類をご紹介します!
3~4歳児さんのドリル選びの参考にしていただければ幸いです。
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おうちでのドリル・プリント学習で気をつけたいこと
ドリル・プリントをご紹介する前にお伝えしておきたいのは、ドリルやプリントは新しいことを教えるために使わない、ということ。
あくまでも、生活の中で体験したことや、おもちゃ・知育玩具など具体物をとおして学んだことがちゃんと理解できているかどうか確認する、または理解を深め定着させるのがドリル・プリントの役割です。
実体験を踏まえずにプリントだけで新しいことを理解させようとすると、単に解き方を教えて覚えさせるだけ、ということになってしまいがちです。あくまでも実体験が先です!
もしドリル・プリントでわからない問題があった場合は、プリント上すなわち子どもの頭の中だけで考えさせるのではなく、積み木やおはじき、おもちゃなどの具体物を使って理解させるようにしてくださいね。
年少クラスで使用している、3~4歳さんにおすすめのドリル
・脳力開発ドリル 市川式IQトレーニング 3・4歳/講談社
1965年に日本で初めての知能教室を開設した「知能研究所」が監修しているドリル。
「図形」(ものの形や空間認識)・「記号」(数やパターン認識)・「概念」(言葉の意味)の3分野をバランスよく伸ばせるよう問題配分されています。
全ページカラーなのと、3ページ中1ページは、解答をえんぴつで書き込むのではなく「IQトレーニングシール」を貼って解答するようになっています。
各問題には、おうちの方向けに指導のポイントが記載されています。
ただし、このドリルの残念な点は問題数が少ないこと。
問題はページの片面にしかなく(裏面は白紙)、全体で図形・記号・概念の各分野×12問、計36問しかありません。
プリント好きなお子さんだと、あっというまに1冊終わらせてしまうかもしれませんのでご注意ください。
・ドリルの王様 かずからさんすうへ/新興出版社
こちらのドリルは、10までの数の理解と、数字とのマッチング、数の合成・分解を理解したい年少さんクラスにピッタリ!の内容となっています。
線がき、なかまあつめ(集合づくり)から始まり、
同じ数(絵と絵どうし、絵と記号)を結ぶ
「0というかず」~「10というかず」の理解(絵を数えて同じ数だけ〇に色を塗る、数字を書く)
かずの大きさ比べ(どの数が大きいかを数字を見て比べる。2択・3択)
10までの数ならべ(数の順番を理解する。並んでいる数字の空いているところに何が入るかを考える)
5~10までの数の分解(いくつといくつに分ける)
順序数(上・下から○ばんめ、前・後ろから○ばんめ、右・左から〇ばんめ)
順序数と集合数の違い(「前から〇ばんめ」と「前から〇人」の違い)
・・・といった内容で、就学前に身につけておきたい「かず」の概念の基礎が学べるようになっています。
年少さん(3・4歳)~年長さん(5・6歳)クラスで使用しているおすすめドリル
以下でご紹介するドリルは、いずれも対象が”5・6・7歳”となっていますが、レッスンでは年少さん(3・4歳)・年中さん(4・5歳)・年長さん(5・6歳)いずれのクラスでも使用しています。
どのドリルも問題の難易度の幅が広くて、年少さんでもじゅうぶん取り組めるレベルからスタートして徐々にレベルアップしていきますので、問題のレベルを見て各学年に振り分けています。
なので、おうちで取り組まれる場合は年中さん・年長さんからスタートしてもいいですし、年少さんからでも、ムリなく取り組めるようならどんどん進んでいっても大丈夫です。
やっていく中でレベルが上がって難しくなってきたらムリせずいったんお休みして、その間別のドリルに移行する等、お子さんの状況に合わせて工夫してみてください!
・5・6・7歳 パズルでおけいこ③ めいろ/学研
子どもはみんな「迷路」大好き!
迷路は、文字書きに必要な運筆力をつけるのはもちろん、全体を見渡して、「こっちに行ったらどうなるかな?」と先を読む力や、集中力、最後まであきらめない粘り強さもやしなわれます。
最初はこれくらいのレベルから始まってだんだん難易度が上がっていき・・・
最後のほうははこんな感じになります。
また、”ちょうちょを6匹つかまえながらゴールまで行く”などのお約束のある迷路や
通った道を塗ると何かの絵が出てくる”色ぬりめいろ”
階段を上ったり下りたりしながら進む立体的な”階段めいろ”
・・・などなど、いろんなバリエーションの迷路があります。
・5・6・7歳 パズルでまなぼう③ めいろ/世界文化社
これぐらいのレベルからスタートして、徐々に難易度があがり・・・
最後のほうは、こんな感じです。
ほかにも、しりとりの順に進む”しりとりめいろ”や
”じゃんけんで勝つかあいこの方にのみ進める”じゃんけんめいろ”
晴れ・くもり・雨・雪の順にすすむ”お天気めいろ”
足し算の答えの方に進む”たしざんめいろ”
・・・などなどいろんな迷路があります。
・5・6・7歳 パズルでおけいこ④ てんつなぎ/学研
数字を順番につないでいくと絵ができあがるパズル。
数字の読みや、数の順番をおぼえていきたい年少さんクラスにぴったりのドリルです。
数字から数字までを、できるだけまっすぐにつなぐよう意識することで、運筆の練習にもなります。
最初は「5までつなごう」からスタート。
後半は100までになるので、ちょっと大変ですね・・・!
1から順番につないでいくだけでなく逆につなぐものや
2とび・5とびでつないでいくものもあります。
・5・6・7歳 パズルでまなぼう④ てんつなぎ/世界文化社
こちらも1から5までの数字を順につないでいくものからスタートして、最後はこんな感じになります。
他にも、10×10=100の座標上に見本と同じかたちを書きうつすもの
鏡に映った形を描くもの
座標上に描かれた2枚の絵を1つの座標に重ねて描くもの
・・などなど、いろんな種類の問題があります。
・5・6・7歳 パズルでおけいこ② まちがいさがし/学研
2つの絵を見くらべて違うところを見つける「まちがいさがし」や、たくさんの絵の中から見本と同じものを見つける、または1つだけ違うものを見つける「絵さがし」は、細かな違いに気づく注意力や観察力、ねばり強く探し続ける集中力などを高めてくれます。
こんな感じからスタートして・・・
最後の問題はこちらです。
こちらのドリルには、基本の「まちがいさがし」や「絵さがし」の他、もとの絵を鏡に映した絵を見ておかしなところをさがす問題などもあります。
・5・6・7歳 パズルでまなぼう②まちがいさがし/世界文化社
こんな感じの問題からスタートして、
最後の問題はこちらです。
こちらのドリルは、基本の「まちがいさがし」「絵さがし」の他、もとの絵から時間経過した後の絵を見て、変わったところやなくなったものを見つける(時間が経過しているので、人物のポーズや物の位置は変わっているが、それは間違いではない)という、ちょっと難しい問題もあります。
・5・6・7歳 パズルでおけいこ①もじパズル/学研
クロスワードパズルのように、文字を入れて言葉を作ったり、言葉を見つけたりするパズル。
2文字の言葉からスタートします。
最初は絵を見てそのもの名前を作るところから、
後半の問題では、ヒントから入る言葉を考えます。最後の問題はこちら。
カタカナの問題もあります。
年少さんだとまだひらがなの読み書きができない子もいますが・・・
年少さんクラスでは、このドリルを使ってひらがなの読み書きができるようになることよりも、文字に親しむことと、語彙を増やすことを目的としていて、
「この字は何て読むかな?”う”だねー」
「”う”ではじまるものが、この絵の中にあるよ。何かなー?」
「そうだね、”うま”だね。」
「じゃあ、ここにはどんな字を入れたら”うま”になるかな?」
「そうだね、”ま”だねー。”ま”はこんな字だよ。」
・・・という感じで、ひらがなが読めない子も一緒に読んだり、絵の中から”〇のつくことば”を探したりしながら、ひらがなに興味を持たせたり、語彙を増やしていきます。
もちろん、読んだり書いたりができる子は、レベルに合わせてどんどん自分で取り組んでいきます。
・5・6・7歳 パズルでまなぼう①もじ・ことば/世界文化社
こちらも「5・6・7歳 パズルでおけいこ①もじパズル」と同じような問題構成ですが、最初のほうに数問ずつ、一部が隠された文字をあてる問題や
一部が欠けている文字を直して正しい文字にする問題
・・・など、ちょっと風変わりな問題も入っています。
最後は、このレベルまでいきます。
最後に
3~4歳児さん向けのドリルはたくさんありますが、お子さんが楽しく取り組めることが大前提です。
毎日必ず机に向かう習慣を今からつけさせることが第一の目的であれば、かならずしも「もじ」や「かず」などのお勉強的なものでなくとも、迷路や点つなぎなどの遊び感覚でできるものでもOKです。
どれにしようか迷ってしまうようなら、お子さんと一緒に書店の店頭に行って、お子さんに選んでもらうのもいいですね!
幼児さん向けのドリル・プリント教材の選び方については、こちらの記事にも書いていますので、よろしければ読んでみてくださいね!
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