知育効果のある「お手伝い」8種。子どもに「お手伝い」をさせるなら、賢くなる効果もねらっちゃおう!

「お手伝い」が子どもに与える効果はたくさんあります。
さまざまな生活スキルが身につくのはもちろんのこと、やるべきことを頭のなかでイメージし計画を立てて物事を行う”段取り力”や、与えられた役割をしっかりこなす”責任感”などなど・・・。

たくさんの効果がある「お手伝い」ですが、お手伝いをすることで得られる効果はそれだけではありません。お手伝いには、子どもの”知的能力”を伸ばす効果もあるのです。

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知的効果のある「お手伝い」8種をご紹介

子どもがお手伝いをする時には、例えば「テーブルに、全員分のお皿とスプーンとフォークを運んでちょうだい」など、指示されたことを理解して、記憶し、その通りに実行しなくてはなりません。

指示されたことを頭の中に短期的に記憶しておく力を「ワーキングメモリー」といいます。
敢えて複数の指示を同時に処理する課題を与えることで、ワーキングメモリーを鍛えることができます。

どんな内容のお手伝いであっても、誰かからの指示を聞き、それを指示どおり実行すること自体がワーキングメモリーのトレーニングとも言えますね。

それ以外にも、お手伝いで得られる知的効果はたくさん!
知的効果が得られる「お手伝い」を以下でご紹介します。

◆知育効果のあるお手伝い:食事の準備

①家族全員分のお皿を食卓に揃える・・・計数、基数性の理解

4人家族ならお皿が4枚必要であるということを理解して、お皿を4枚数えて出さなくてはなりません。
お皿の数を正しく数える(計数)、また”全部で4枚”(基数性)を理解する必要があります。

②一人〇個ずつおかずを配る・・・かけ算の考え方の基礎

一人2個ずつ4人分は全部で何個必要か?
→一人2個×4人分=8個(一人当たりの量×〇人分=全体の量)になります。
これは、かけ算の基礎となる考え方です。

③おかずを全員で同じ数ずつお皿に取り分ける・・・わり算の考え方の基礎

からあげやコロッケなど、1個2個・・と分けられるもの(分離量)であれば、

8個のコロッケを4人でケンカしないように分けると1人何個もらえるか?
→8個÷4人=2個(全体量÷〇人分=1人分の量)・・・わり算の考え方の基礎

ピザやホットケーキなど、数えることが出来ないもの(連続量)であれば、
どうやって分ければ同じ量に分けられるか?(等分、図形の分割)

これらを、自然に学ぶことになります。

④食材を切る・・・理科的常識、立体の感覚

たまねぎやピーマンなど、野菜や果物を縦に切ったときと横に切ったときでは形が違うことに気づき、自然への興味や立体的な見方を育てます。

また豆腐やチーズをいろんな角度で切ると、断面は正方形・二等辺三角形・ひし形などのさまざまなかたちになります。
断面図を観察することで立体断面図を理解し、図形を頭の中でイメージできるようになるのにも役立ちます。

お子さんがまだ小さくて自分で切るのはムリ!という場合でも、お母さまが切ったものをぜひ意識して見せてあげてほしいものです。

◆知育効果のあるお手伝い:お買い物

⑤指示したものを売り場から持ってくる・・・記憶力、仲間分け(ものの属性の理解)

まだ一人でお買い物に行くのはムリでもお手伝いはできます。
「ニンジン2本とリンゴ3個」など、お子さんが名前を憶えている食材を、理解している数の範囲で持ってきてもらいましょう。
1回で複数の指示を記憶するワーキングメモリーのトレーニングにもなります。

また、それぞれのものがどんな売り場にあるのかを知る、つまり”ニンジンは玉ねぎやナスと同じ野菜の仲間”など、いろんなものが何の仲間かを知る(ものの属性の理解)きっかけなります。

なお、お買い物は、レジで並んで待つなど公共のマナーを理解するいい機会にもなりますので、積極的にいっしょに出かけましょう。

◆知育効果のあるお手伝い:洗濯

⑥ハンカチや靴下を干す・・・巧緻性をやしない脳を活性化する

指先は”第二の脳”と言われ、指先を使うことで脳が刺激を受け活性化されます。
指先を使う取組として、教室では「洗濯ばさみ」をレッスンで使用していますが、おうちではお手伝いに取り入れましょう。
ハンカチや靴下なら小さい子でもカンタンに干せるので、まとめてピンチハンガーに干してもらいましょう。

⑦靴下をペアにしてたたむ・・・”対になっているもの”の理解

”2つで1つ”と数えるものがあとを知ることは、「置き換え」の問題の理解につながります。

例えば、「みかん1個はくり2個と交換できます。では、みかん2個はくり何個と交換できるでしょう?」という問題の場合。
たいがい皆、「くり3個」と答えます。みかんが1個増えるのだから、くりも1個増える、というふうに思ってしまうのです。「2つゼットで1つ分」という考え方が、小さい子どもには難しくなります。

靴下の数を数えて、全部で何人分あるのか考えてみましょう。
また、同じく”2つで1つ”と数えるものとして、家族全員分のお箸を用意するなどしてみましょう。

⑧ハンカチ、タオルなど四角いものをたたむ・・・等分、図形の分割

真四角のハンカチを半分(1/2)に折ったら長四角に、もう1回半分(1/4)に折ったらまた真四角に・・・など、折り紙で遊ぶのど同様に図形感覚をやしなうことができます。
また、手先を使うことで巧緻性をやしない脳を活性化することにも。

最後に

「お手伝い」を通して得られる効果は、ほんとうにたくさんあります。
何より、「ひとりでできた!」という達成感が自信につながり、「ありがとう」と感謝されることで自己肯定感を持って、自立への第一歩を踏み出すことができます。
「まだ早いかな?」と躊躇せず、どんどん”お手伝い”をさせてあげてくださいね!

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