「パターンブロック」の遊び方の参考に。2〜6歳さんクラスでの使い方をご紹介します!

「パターンブロック」は、遊びながら図形のセンスが身につく定番の知育玩具。

アメリカで開発され、日本でも筑波大学附属小学校など、多数の小学校の算数の授業で使用されています。

私の教室でも2歳児〜年長さんクラスまで、幅広い年齢のレッスンでパターンブロックを活用しています。

りんこ
生徒さんにオススメの知育玩具としてご紹介することも多いです!

自由に遊ぶだけでも図形センスをやしなってくれるパターンブロックですが、年齢や発達に応じて遊び方を変えていくことで、知育効果がさらに高まります。

今回は、教室の2歳児〜年長さんクラスでパターンブロックをどのように取り入れているかをご紹介します。

おうちでパターンブロックで遊ぶ際の参考にしてみてくださいね!

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パターンブロックのすごいところとは!?

 


パターンブロック 東洋館出版社

正方形、正三角形、2種類の菱形、台形、正六角形の6種類の図形からなる「パターンブロック」。

色もとっても鮮やかで創作意欲をそそりますが、パターンブロックのすごいところはそれだけじゃない!

●それぞれの辺の長さがすべて同じ約2.5cm(※台形の長い辺のみ2倍の5cm)で、どの形を組み合わせても辺と辺がぴったり合うようになっている!

●すべての角が30度の倍数(30度、60度、90度、120度、150度)でできており、どの角を合わせても180度や360度にしやすいため、簡単に美しい図形が作れる!

六角形 = 台形2個 = 菱形3個 = 正三角形6個

・・・と、ある形を他の形に置きかえることができるため、

自由にかたちや模様を作って遊びながら

「正三角形2個で菱形ができる!」

「六角形は菱形3個でできてる!」

など、図形の合成・分解の感覚が自然に身につき、図形構成力がやしなわれるスゴい知育玩なのです。

2歳児さん~年長さんクラスでのパターンブロックの取り入れ方

教室では、こちらのタスクカードを使っています。

 

 

 

構成力をのばす パターンブロック タスクカード

2歳児さんクラス:色と形のマッチング

2歳児さんクラスでは、タスクカードのステップ1のお手本を用いて、同じ色・形のピースを置いていきます。

いずれのお手本も、ひとつひとつのピースの形がわかるようになっています。

図形の合成の前段階として、色・形を手掛かりに、同じピースを見つけてマッチングする=同じ色・形を認識する取組です

りんこ
カンタンそうに思えますが、図形の向きを合わせるのが2歳児さんには難しい!

1つ1つのピースがけっこう小さいので、しっかり持って、枠からはみ出ないようピッタリ合わせて置くことで、指先の巧緻性や集中力をやしなうことにもつながります。

年少前さんクラス(2~3歳):図形の合成

 

タスクカード ステップ1のお手本では、後半のほうでは下の↓写真のように、お手本の一部でどのピースをどのように置くかがわからなくなっています。

必要なブロックの種類と数は指定されているので、使う分を渡してあげた上で、最初に色・形がわかるところに置いていき、残りのピースで空白の部分を埋めていきます。

とりあえず、入りそうなものをどんどん置いていきましょう。

りんこ
あまり口出しせず自由にやらせてあげて、どうしてもできない時だけ、少し手伝ってあげましょう。

子どもは小さいピースから置いていきがちなので、最後に大きいのが残ると入らなくなってしまいます。

↑最後に六角形が残った・・・

そんな時はうまく他の形と交換して、完成させられるかな!?
(六角形1個を、台形2個と交換など)

実際には、2~3歳児さんが自分でやり直すのは難しいので、台形2個のところが六角形と同じであることを示した上で、「とりかえっこしてみよう」と言って交換してあげましょう。

年少さんクラス:図形の分割

 

タスクカードのステップ2からは、お手本がカラーではなくモノクロになっています。

ここでの目的は、同じ形でもいろいろな作り方があることを知る、ということ。

正三角形、菱形、台形、六角形などの形を、いろんなパターンで作っていきます。

なお、お手本には、どのピースで作るのかが描かれているものと、形の枠のみで自由に作るものとがあります。

例えば・・・

正三角形3個=菱形+正三角形2個=台形+正三角形

 

菱形4個=正六角形+正三角形2個=台形2個+正三角形

などなど・・・
図形の分解・合成の感覚を身につけていきます。

レッスンでは枠のみのお手本を用いて、すべてを作れるだけのピースを渡し、その中で自由に組み合わせて図形を作ってもらうようにしています。

年中〜年長さんクラス:線対称な図形

 

タスクカードのステップ4では、線対称な図形を作るお手本があります。

こちらを用いて、真ん中に鏡を置いて映してできる形=線対称な図形を作ります。

はじめに枠のあるところ(写真の見本の左側)にピースを置き、線対称になるように、右側にもピースをおいていきます。
見本の図形の真ん中の、鏡を置くところの線が「対称の軸」です。

感覚的にわかる場合はそのまま置いていきますが、むずかしい場合は実際に鏡に移してみて、確かめながら置いていきます。

「線対称とは・・・」「対称の軸とは・・・」などと理屈で理解をしていなくても、出来上がった形のバランスのとれた美しさや安定感を感じることで、自然に「線対称な図形」に親しむことがねらいです。

レッスンでは切り紙やシール貼り、鏡を用いたブロックなどの取組をとおして線対称な図形に親しんでいきますが、その中の取組の1つとしてパターンブロックも活用しています。

※関連記事:「線対称」に親しむ取り組み:3歳~6歳のレッスンで取り入れている4種をご紹介します。

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パターンブロックでは立体も作れる!

 

レッスンでは平面図形のお手本しか取り入れていませんが、タスクカードのステップ5は立体図形のお手本となっています。

図形認識力や空間把握力を高めるのはもちろんですが、パターンブロックは普通の積み木とくらべると厚みが少ないので、積み上げて形を構成することで集中力がやしなわれそうですね。

最後に

パターンブロックでは、タスクカードなしで自由に模様を作ったり、積み木のように立体的なかたちを作って遊ぶだけでも、自然に図形センスを身につけることができますが・・・

お子さんの年齢や発達段階に合わせて”課題”を与えてあげることで、さらに図形構成力や空間認識力、集中力、試行錯誤する粘り強さなどを高めてあげられます。
ぜひ、遊びの中に取り入れてみてくださいね!

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