多くのママがつい手にとってしまう絵本『はやくはやくっていわないで』

私の教室の待合室に置いてある絵本の中で、子どもよりもお母さまが手にとって読んでいる姿をよく目にするのがこの『はやくはやくっていわないで』。


はやくはやくっていわないで [ 益田ミリ ]

この絵本の主人公は一そうの船。「早く早く」とせかされて焦ったり、他と比べられ「どうしてできないの?」と言われて悲しい気持ちになる様子が描かれています。

この絵本のタイトルを見て思わず手にとってしまうのは、やはり多くのお母さんがついつい口癖のように「早く早く」と言ってしまっていることを自覚しているから。
なお且つ、本当は「早く早く」って言わない方が良い、言わずに済むものなら言いたくない、とも思っている方が多いからなのでしょうね。

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お母さんがついつい「はやくはやく」と言ってしまう理由

お母さんがお子さんについつい「早く早く」と言ってしまうのはどんな場合でしょうか。

多くは、学校に行く前や寝る時など、実際に遅刻してしまったら困るから、また就寝時間などの生活のルールを守らせるため、などの然るべき理由があると思います。

私が教室での様子を見ていると、特にごきょうだいのいらっしゃるご家庭では、習い事の送り迎えで分刻みのスケジュールで動いていらっしゃるお母さまがこの言葉を発していることが多いですね。

お兄ちゃん・お姉ちゃんのスケジュールに合わせて、若干振り回され感のある弟くん・妹ちゃんの姿を見ると、ちょっとかわいそうな気持ちになることもありますね・・・。

お母さんが「早く早く」と言わざるを得ない理由が、かならずしもお子さんにとっては必然ではない場合もありそうです。

「はやくはやく」と言うのがどうしてよくないのか

約束の時間に遅れそうなど、止むを得ず急がなくてはならない場面も当然ありますが、 いつもいつ も「早く早く」とせかされ続けていると、お子さんが「自分はダメな子なんだ・・・」と思い込み、自分に自信を持てなくなってしまったり、お母さんからの愛情を感じられなくなってしまうことも。

また、早くできることが良いことだ、という価値観が植え付けられてしまい、じっくりと時間をかけて考えたり物事に取り組んだりすることに価値を感じなくなってしまうのも怖いことです。

何でもささっと素早くできてしまう子もいれば、落ち着いてじっくり物事に取り組める子もいて、どちらの子にもそれぞれの良さがあると思います。

(私の教室ではぱっと答えを出せることよりも、自分のアタマでじっくり考えるプロセスを大事にしているので、特にそう思います。)

本当に急がなくてはならない場合以外には、できればこの「早く早く」という言葉は言わずに過ごしたいものですね。

どうしても言わざるを得ない場合でも、お母さんのイライラを全面に出して頭ごなしに言うのではなく、なぜ早くしなければいけないのか?の理由をきちんと伝えることが大事。

たとえば家庭で決めた時間のルールを守ってほしいなら、なぜそのルールを決めたのか、子どもが納得できるように説明してあげることが必要です。

できることなら言いたくないけどついつい言ってしまう「早く早く」という言葉。
そう言われた時に子どもがどう感じるか?その気持ちを思い出すために、この絵本を手元に置いておき、時々読み返すのも良さそうです。

はやくはやくっていわないで

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