『異図形発見』と『同図形発見』、3歳児さんが間違いやすいパターン。

小学校受験でも出題される『異図形発見』や『同図形発見』の問題。
いくつかの選択肢の中から、1つだけ他と違うものを見つけたり、見本と同じものを見つける課題です。
細かな違いを見わける照合能力や注意力・観察力・全体把握力などが問われます。

教室では3歳児さんクラスのレッスンでも行います。
いわゆる「まちがいさがし」(→ちがうのをみつけよう)や「絵さがし」(→おなじのをみつけよう)ですが、3歳児さんくらいでこの『異図形発見』や『同図形発見』を行うときには少し注意が必要です。

今回は、3歳児さんが『異図形発見』や『同図形発見』を行うときに間違いやすいパターンについてお伝えします。

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『異図形発見』と『同図形発見』、3歳児さんが間違いやすいパターン2つ

①「ちがうもの」=「へんなもの」「たりないもの」ととらえている

 

かたちのちがうものを さがしましょう

例えばこの問題ですと、細かい部分をよーーく見くらべないとなかなか違うものを見つけられないですが、

ちがう ものは どれでしょう?


遊び感覚で学べる知育教材 チューターシステム セット2「図形・分類・基礎能力」

この問題の場合、どれが違うのかはすぐにわかりそうですよね?(※真ん中の絵だけ、えんとつがあるから違う)

・・・しかしながら、3歳児さん位の子どもの場合、「これと、これがちがう」と、右と左の絵(えんとつがない絵の2つ)を指す場合があります。

「ひとつだけ、違うのを探すんだよ~」と言ってもピンとこない様子。

この場合、「1つだけ違うもの」という意味を、「3つの中で、1つだけ他の2つと違うもの」という意味(相対的)ではなく、「おかしいもの、変なもの、どこか足りないもの」という意味(絶対的)に捉えているのです。

下の問題のような、いわゆる『欠所発見』という課題があります。

したに えが ありますね。でも、どこか たりないところが あります。どこでしょう。


2~3歳の右脳+左脳ドリル

「ゾウの鼻はほんとは長いのに、切れているからおかしい」など、そのものの本来あるべき姿と比較して、足りないところやおかしなところを見つける課題です。

上記の『異図形発見』の問題でも、この『欠所発見』と同じように「違うもの」=「何かがおかしい(足りない、欠けている)もの」と捉えてしまうと、3つの選択肢の絵の中で、何かが「無い」もの2つがおかしい=”違う”、と考えてしまうのですね。

「ウサギの耳は2つなのに、1つないからおかしい」とか、 「ゾウの鼻は長いのに、切れているからおかしい」というのと同様、「違うもの」=「何かが無い(足りない)もの」と捉えているのです。

まだ物事を相対的に見る(他のものとの比較で考える→比べる絵によって、”1つだけ違う”ものは変わる)のがむずかしいのかもしれません。

問題の本来の意図のとおり、他と違うものを1つ、ぱっと指摘できればよいですが、間違えてしまう場合、まずは2つの絵を比べて「これとこれは同じ?違う?」が分かり、違うなら「どこが違うか」がわかっているかどうかがポイントです。

このように、「違い」という言葉の意味をどのようにとらえているかによって、わかっていても正しく答えられない場合もあります

それが”絵の照合能力”の問題(違うところを見つけられない)なのか、”言葉の意味の認識”の問題なのか、確かめるする必要がありますね。

②選択肢が多すぎる


みほん とちがう つぼが あります。さがして まるで かこみましょう。


まちがいさがし (はじめてのおけいこノート 2巻)

このように、たくさんの絵の中から1つだけ違うものを見つける『同図形発見』(→絵さがし)の問題がニガテというか、あんまり好きじゃない子は多いです。

これは単純に、たくさんの中から見つけるのは大変だし、どこを見たらいいのかわからないので嫌になっちゃって、このテの問題を見るととたんにやる気をなくす、というパターンです。

また視野を広く持つことができなくて狭い範囲しか見られないため、全体を見た上で1つ1つの絵を見くらべるのが難しい、ということもあります。

その場合、こちらが思っているよりも子どもにとっては難しい課題となってしまいます。
その場合、無理やりやらせても、ますますイヤになってしまいますので・・・

選択肢の数を少なくするか、見る範囲を狭める(「このへんにあるよ~」、とヒントをあげる)ことで難易度を下げ、徐々に、選択肢の数をふやしたり見る範囲を広げていってあげてください。

子どもは、「わかる!」「できる!」と自信をつけるととたんにやる気が出て、積極的に取り組むようになってきますので、どんな取組でも、その子にとって”ちょうどいい”課題を与えてあげることが大切です。

最後に

「間違い探し」は脳科学者もおすすめしている程、さまざまな能力が身につく素晴らしい取り組み。
ぜひ、お子さんの理解度に合わせて楽しく取り組んでみてくださいね。

※関連記事:脳科学者もおすすめの『間違い探し』、子どもの地頭をよくする知育効果とは。

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