小学校入学前のお子さんをお持ちの親御さんの中には、学習面での入学準備について「いつから」「どんなことを」準備すればよいのか、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際に小学校1年生のお子さんを持つママさんに対し行われたアンケートの結果をもとに、小学校入学前にやっておくべきこととは何か?についてお伝えしていきたいと思います。
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アンケート調査の結果からみる、小学校入学後に後悔しないために今から始めておきたい入学準備とは。
今回の記事で参考にさせていただいたのは、通信教育サービス『ドラゼミ』(※2019年4月~は『まなびwith』に)を運営する、株式会社小学館集英社プロダクションの「ドラゼミ教育研究所」が行ったアンケート調査。
※出典:≪小1ママに聞きました!≫ 小学校入学までにできるようになっていてよかったこと &小学校までに身につけておけばよかったことhttps://www.atpress.ne.jp/news/113018
アンケートの概要は以下のとおりです。
【アンケート概要】
調査目的:小学校入学前の入学準備、および入学後の学習状況の把握
調査期間:2016年8月24日~8月25日
調査対象:現在小学1年生のお子さんを持つ母親221名
調査手法:アンケートツール(Fastask)
調査が実施されたのは2016年と少し前になりますが、この内容でのアンケートとしてはこれが最新のもののようです。
”「入学前に身につけておいてよかった!」と思うことは?”
■「入学前に身につけておいてよかった!」と思うことは何ですか?
第1位:自分の名前がひらがなで書ける(69.2%)
第2位:自分の名前がひらがなで読める(71.0%)
第3位:ひらがな50音が読める(60.6%)
第4位:10までの数が読めてかぞえられる(52.0%)
第5位:ひらがな50音が書ける(48.0%)
結果を見ると、上位にはひらがなの読み書きに関するものが多いですね。
特に「自分の名前がひらがなで書ける・読める」と答えた人は70%前後もいます。
また、「ひらがな50音が書ける」と答えた人も48%と半数近くいて、今や「小学校入学前にひらがなの読み書きができる」のは普通のこと、というのがこのアンケート結果からもわかります。
一方で、こんなアンケート結果もあります。
■お子さんがひらがなの読み書きを始めたのはいつ頃でしたか?(読み間違えたり、正確に書けなかったりしても良いので、読み始めた・書き始めた時期についてお答えください)
●年少の春より前(14.5%)
●年少(28.1%)
●年中(32.5%)
●年長の春(9.0%)
●年長の夏(5.9%)
●年長の秋(2.7%)
●年長の冬(1.8%)
●年長の冬よりも後(5.0%)
このアンケート結果によると、読み書きを始めた時期が「年少の春より前」(14.5%)、「年少」(28.1%)、「年中」(32.5%)と答えた人を合計すると74.6%、すなわち年長さんになる前に「読み書き」ができるようになったお子さんは約75%、ということになります。
これだけを見ると、今年中さんでまだ読み書きが出来ていないお子さんのお母さまはもしかしたら少しあせってしまうかもしれませんが・・・
このアンケートの質問項目では「ひらがなの読み書きを始めた時期」について聞いており、自分の名前がひらがなで書けたり、ひらがな50音の読み書きができるようになった時期を聞いているわけではありません。
また、年長さん以降でひらがなの読み書きを始めた人は「年長の春」(9.0%)「年長の夏」(5.9%)「年長の秋」(2.7%)「年長の冬」(1.8%)「年長の冬よりも後」(5.0%)を合計すると24.4%となり、他の学年と比較しても、ひらがなの読み書きを始めた時期は各学年にばらけているということが言えます。
つまり、上述した「入学前に身につけておいてよかった!」と思うことのアンケート結果と合わせると、
「ひらがなの読み書きを始めた時期」は子どもによってばらつきがあるものの、入学前には70%前後のお子さんが「自分の名前がひらがなで書ける・読める」ようになり、50%近くのお子さんが「ひらがな50音が書ける」ようになったということ。
今や「小学校入学前にひらがなの読み書きができる」のは普通のこと、とは言え、他のお子さんと比較してむやみにあせる必要はなく、お子さんが文字に興味を持てるような環境を整えながら、タイミングを待つ姿勢が大切ではないかと思います。
※関連記事:【ひらがな読み書き】教え方のステップ、2~6歳のレッスン内容を参考にご紹介します。
「ひらがな」の読み書きについて 子どもがなかなか「ひらがな」を読めるようにならない 何歳までに読み・書きができるようにな…
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”今だから思う、「入学までに身につけておけばよかった!」と思うことは?”
■(実際には身につけられなかったものの)今だから思う、「入学までに身につけておけばよかった!」と思うことは何ですか?
第1位:時計がよめる(24.0%)
第2位:鉛筆を正しく持てる(17.2%)
第2位(タイ):人の話を最後まで聞ける(17.2%)
第4位:本に親しんでいる(16.7%)
第5位:毎日少しでも学習に取り組む習慣ができている(15.4%)
上述の「入学前に身につけておいてよかった!」とは逆に、「身につけておけばよかった!」と思うもの、すなわち、”身につけておかなくて後悔しているもの”ということです。
この質問項目では『特にない』と回答した方が最も多く29.9%だったものの、それ以外の回答では上記のような結果でした。
それぞれの項目ごとのパーセンテージはそれほど高くないですが、それはすなわち、アンケートに回答したほとんどの人が、この項目については”入学前に身についていた”と感じていたという可能性もあるということが言えます。
だからこそ逆に、身につけておかないと入学後にお子さんが困る可能性が高い、ということも言えますね。
第1位:時計がよめる
時計の読みは小学校低学年の算数で習いますが、教室の小学生の生徒さんたちを見ていると「時計」がニガテな子は多いようです。
最近は身の回りにアナログ時計がないことが多いのも要因のひとつでしょうか。
今は大人でも時計を持たず、スマートフォンなどで時刻を見る人が多い時代ですしね。
しかしながら、時計が読めないということは自分で時間を管理できないいうことです。
ぜひ幼児期のうちにアナログ時計に親しむことから始めて、「時間を守ることの大切さ」を理解できるようにしていきましょう。
※関連記事:「時計の読み方」子どもにどう教える?教え方のポイントをご紹介します。
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第2位:鉛筆を正しく持てる
これは私の経験による完全な私感なのですが、小学生で「勉強がニガテ」「勉強があまり好きじゃない」という子ほど、鉛筆が正しく持てていないことが多い気がします。
それまであまり鉛筆を持つ機会がなかった→正しい鉛筆の持ち方を教えてもらえていなかった、ということだと思いますが・・・
逆に、鉛筆を正しく持てていないからこそ長く集中ができなかったりして、さらに勉強が嫌いになってしまうという悪循環に陥っていることもあると思います。
教室では2歳児さんから文字書きにつながる「せんがき」「めいろ」を始めますが、スタートは「文字がちゃんと書けるか」よりも「正しくクレヨンや鉛筆が持てているか」を意識しています。
間違った持ち方がクセになってしまうと、後から直すのはかなり大変になりますので、小さいうちから正しい持ち方を意識するようにしましょう。
第2位(タイ):人の話を最後まで聞ける
小学校に入学したら、当然ながら45分授業の間ずっと先生のお話を聞かなければなりません。
話を「聞く」という動作は普段私たちが何気なく行っているものです。
しかしながら、ただ漫然と音声だけを聞いているだけでは情報は右から左へ流れていってしまい、肝心なことは何も残っていない、という状態に。
聞いた内容をしっかり理解して記憶したり、指示通り的確に行動するためには、集中して耳(=意識)を傾け必要な情報を得るための「聞く態勢」を作れること、そして最後までその態勢を保ち続ける集中力、すなわち『聞く力』が必要となります。
※関連記事:すべての学習の基礎となる「聞く力」のトレーニング~『きくきくドリル』
教室では年少さん~小学生クラスのレッスンで、「聞く力」のトレーニングを行っています。 その際に使用しているのが、こちらの…
第4位:本に親しんでいる
言葉はすべての学習の土台。
本を読むことを通してたくさんの言葉に触れ、語彙を増やすだけでなく、想像力をやしなったり豊かな心を育むことにもつながります。
小さいうちから読み聞かせ等を通じて本を読む習慣をつけておくことはとっても大切です。
第5位:毎日少しでも学習に取り組む習慣ができている
小学校1、2年生の国語・算数は、すべての教科の学習の基礎。
基礎学力である「読み・書き・計算」がついていないまま中・高学年を迎えてしまうと、勉強についていけなくなってしまいます。
とはいえ、小学生になっていきなり「毎日勉強しなさい」と言われても、子どもも戸惑ってしまいますよね。
就学後に毎日「勉強しなさい!」と言い続ける苦労をしないためにも、ドリルやプリントに”遊び感覚”で取り組める幼児期のうちに、「毎日必ず机に向かう」ことを習慣づけておくことはおすすめです。
※関連記事:幼児の家庭学習を習慣づけるおすすめの方法:3つのポイント
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最後に
アンケートの結果、『入学までに身につけておけばよかったこと』として挙げられた「時計の読み」「運筆力」「聞く力」「読書習慣」「家庭での学習習慣」。
これらは、入学直前に「さぁ今日から入学準備を始めるぞ!」とスタートするものではなく、小さいうちから生活の中で意識して、習慣化させつつ身につけていくものばかりです。
お子さんの現在の年齢にかかわらず、今できることから少しずつ意識して取り組んでみてくださいね!
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