言葉の発達には絵本の読み聞かせは大切、というのはどなたも納得するところだと思いますが・・・
赤ちゃんへの絵本読み聞かせは、言葉の発達以外にもたくさんのものをもたらしてくれます。
できるだけ早いうちから、絵本をとおして親子のコミュニケーションをとっていきましょう。
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絵本の読み聞かせがもたらしてくれるもの
絵本の読み聞かせで得られるものは言語能力だけではありません。
①言葉の発達
赤ちゃんはまだ話をすることができませんが、脳の引き出しに言葉をどんどん蓄積していきます。
ですから、絵本に出てくるものを見ながら「ワンワンだね」などと言葉を添えてあげることが大切になります。
また絵本には、リズミカルな言葉やオノマトペ(日本語独特の擬音語)があふれています。
それらの言葉のリズムを絵本をとおして楽しむことが、言葉で表現する力のもとになります。
②豊かな感情
日本大学大学院総合科学研究科の泰羅雅登教授による実験の結果、絵本の読み聞かせ中に、聞き手である子どもの脳では、大脳辺縁系が活発に働いていることがわかりました。
読み聞かせは心の脳に届く 「ダメ」がわかって、やる気になる子に育てよう [ 泰羅雅登 ]
大脳辺縁系は、「うれしい」「たのしい」「こわい」「イヤ」などの喜怒哀楽を生み出すところ。
子どもは絵本をとおしてさまざまな疑似体験をすることにより、いろんな感情を味わいます。
「うれしい」「たのしい」が「やりたい!」へ。
「こわい」「いやだ」は「やっちゃダメ」へ。
絵本を通して感動する心、想像力、知的好奇心など豊かな感情を育むことができるのです。
③自己肯定感
絵本をとおしてパパやママとコミュニケーションをとることで情緒が安定し、意欲的な子どもに育ちます。
絵本を見て自分が笑えばパパやママも笑ってくれる。
犬の絵を見れば「ワンワンだね」と言葉を添えてくれる。
そんな風に、自分の出したサインを受け止めてもらえることが大切にされているという確信につながり、心が満たされて情緒が安定します。
自分が大切にされていること、愛されていることが実感できると自己肯定感が育まれ、生きる力の基礎になります。
赤ちゃんへの絵本読み聞かせで大切なこと
赤ちゃんは絵本が大好き!
しかしながら、絵本の読み聞かせにしっかりと耳を傾けて楽しむことができるようになるのはおおむね2歳さん以降。
0~1歳児さんの頃は、まず「赤ちゃんとパパ・ママが絵本を見ながらゆったりと過ごす」ことからスタートしましょう。
1歳までの赤ちゃんへの読み聞かせには、絵本の内容よりも、絵本をコミュニケーションのツールとして、パパやママのぬくもりや愛情を肌で感じながら親子のふれあいを楽しむ時間そのものが大切なのです。
絵本を見ながら一方的に語りかけるだけでなく、赤ちゃんの反応に語り返してあげるなど対話的なやりとりを心がけましょう。
なお赤ちゃんの発達から言うと、しっかりと追視(※動くものを目で追うこと)できるようになるのが4ヶ月くらいから。
これくらいの時期から視点が定まり、きちんと絵本に焦点を合わせて「見る」ことができるようになります。
この時期は、パパやママも赤ちゃんのいる暮らしに慣れ、赤ちゃんもある程度じっとしている時期なので、絵本と出会うにはとてもいい時期だと言えます。
赤ちゃんへの絵本の選び方のポイントは
生後1ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、白黒のモノトーンをよく認識します。
1ヶ月を過ぎると、赤・青・黄などの原色を好んで見るようになります。
まだ視覚が未熟なため、色のはっきりとした絵本や写真絵本などを好んで見る赤ちゃんが多いです。
この時期は文字にとらわれず、赤ちゃんにお話をしてあげるという感覚で、心で感じたままに語りかけてあげましょう。
6ヶ月~1歳頃になると、バババ・マママなどの喃語を発するようになってきます。
言葉のリズムの楽しい絵本や、オノマトペがたくさんある絵本を楽しみながら読んであげましょう。
この時期も、文字にこだわらず、絵を見て自由にお話しながら親子のコミュニケーションを楽しみましょう。
最後に
赤ちゃんへの読み聞かせは、絵本の内容にこだわるよりも、パパやママの愛情あふれる声をたくさん聞かせてあげることが何よりも大切。
ぜひ小さいうちから絵本に親しみ、豊かな感受性を育んであげましょう。
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