教室では年少さん~小学生クラスのレッスンで、「聞く力」のトレーニングを行っています。
その際に使用しているのが、こちらの『きくきくドリル』。
テキストに付属しているCDを聞いて、耳からの情報をもとに課題を行います。
(※写真は、教室で使用している旧バージョンで、現在は改訂版が出ています。)
短い文やお話を聞いて、聞いたことをそのまま繰り返して言ったり、お話の内容に関する質問に答えたりする、いわゆる「聴覚記憶」の課題の他にも・・・
さまざまな音(動物の鳴き声や楽器の音、生活音など)が何の音(声)かを聞き分けたり、耳で聞いた指示通りに正しく処理する(指示された方に進む、指示された場所に指示された色をぬる)等、さまざまなパターンの課題があります。
幼児さんが『聞く力』をトレーニングする最大の目的は
「耳で聞く」トレーニングというと、小学校受験でよく出題される「お話の記憶」的な、「記憶力」を高めるのが目的と思われるかもしれませんが、この取組のいちばんの目的は「記憶力」よりも「聞く力」を養うことです。
いわゆる「お話の記憶」のような聴覚記憶の課題は、内容を「聞いて」→「理解して」→「記憶する」ことが必要になります。
当然ながら、しっかりと「聞く」ことが出来なければ、その後の「理解する」「記憶する」は出来ません。
でも、わざわざ「聞く」ことを練習する必要があるの?と思われるかもしれません。
確かに普通に生活をしていれば、人の話や音楽、テレビの音声やさまざまな機器から流れる電子音など、常に何らかの声や音を聞いている状態です。
しかしながら、ただ漫然と音声だけを聞いていても右から左へ流れていくだけ。
聞いた内容をしっかり理解して記憶したり、指示通り的確に行動するためには、集中して耳(=意識)を傾け必要な情報を得るための「聞く態勢」を作れること、そして最後までその態勢を保ち続ける集中力が必要になってくるのです。
小さい子どもの場合、聴覚記憶の課題に正しく答えられるかどうかは「記憶力」の問題というよりも、まずお話を最後まで集中して聞けているかどうかが大きく関わってきます。
集中して聞いていたにもかかわらず憶えられない場合は、聞いたことの意味が理解できていないことがあります。
つまり、語彙や知識、経験の有無などの問題です。
これらは「聞く力」のトレーニングでどうこうするというものではなく、おもに日常的な生活体験を豊かにすることで増やしていくべきものです。
集中して聞き、その内容が理解できていれば、聞きながらその内容を頭の中で絵(映像)としてイメージすることで記憶に残りやすく、後から再現しやすくなります。
教室のレッスンでは、年少さんくらいの時期で、聞くべき時にしっかり耳を傾けて「聞く態勢」を作れること、またその態勢をキープできる集中力を養うことが主な目標となり、年中さん~年長さんでは、聞いたことを理解し記憶することも重要視していきます。
そして小学生では、話を聞いて自分に必要なこととそうでないことを見極めたり、聞きながら鉛筆を動かして書く等、「耳」と「手」を同時に動かすトレーニングをメインにしていきます。
「きくきくドリル」旧版と改訂版
現在、教室で使用している「きくきくドリル」は、改訂版の前の旧版。
幼児さんクラスでは、以下のように取り入れています。
・年少~年中クラス:旧版入門編(=改定版のSTEP1)
・年長クラス:旧版BOOK1(=改定版のSTEP2)
なお改訂版と旧版は、カバー・まえがき・著者プロフィールが変わっているのみで、掲載されている問題は全く同じになります。
・旧版 入門編(→改定版のSTEP1)
はじめてのきくきくドリル 入門編―グングン伸びる・脳力を育てる (シグマベスト)
・旧版BOOK1(→改定版のSTEP2)
きくきくドリル―グングン伸びる・脳力を育てる (BOOK1) (シグマベスト)
*改訂版 きくきくドリル STEP1
*改訂版 きくきくドリル STEP2
最後に
読む力、話す力、そして最終的に書く力につながる、すべての学習の基礎となる「聞く力」。
幼児期のうちにしっかり身につけさせてあげたいものです。
なお、小学生クラスで『きくきくドリル』をどのように取り入れているかは下の記事にてご紹介していますので、ご興味ある方はご参照くださいね。>>>『きくきくドリル』は小学校低学年の「聞く力」と「処理能力」も高めてくれる!
私の教室では、幼児さんから小学生まで「聞く力」のトレーニングを行っています。 その際に使用しているのが『きくきくドリル』…