ドッツカードといえば『ドーマン式』と『七田式』、この2つを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
ドッツカードの元祖は、グレン・ドーマン博士がアメリカの人間能力開発研究所で研究、提唱した『ドーマン式』。
七田式教育の創始者である七田眞氏は、ドーマン博士の提唱した「ドッツ方式」に感銘を受け、ドーマン式を参考にしながら独自の改良を加えた『七田式ドッツカード』を開発しました。
つまり 『ドーマン式』と『七田式』はもともとの起源が同じなので、基本的な考え方や手法は共通していますが、七田式が独自の改良や発展を加えていく中で、ドッツカードのデザインやカリキュラムの内容には違いが生まれています。
今回の記事では、
「ドッツカードをやってみたいけど、ドーマン式と七田式、どちらが良いのかわからない・・・」
という方向けに、『ドーマン式』と『七田式』のカードやカリキュラムの違いをご説明した上で、それぞれどんな方におすすめなのかをお伝えしていきます。
なお今回の記事を作成するにあたり、以下の書籍を参考にしています。
ドッツカードの元祖、グレン・ドーマン博士の著書『赤ちゃんに算数をどう教えるか』
七田式の創始者、七田眞氏の著書『新版 ドッツの効果的な教え方』
『ドーマン式』ドッツカードと『七田式』ドッツカードを比較
七田式とドーマン式の、ドッツカード自体の違いは以下のとおり。
※スマホでご覧の方は、表を横方向にスライドできます。
| ドッツカード | 七田式 | ドーマン式 |
| サイズ | 148mm× 210mm (A5判) |
280mm×280mm |
| 絵柄 | 背景・ドッツともさまざまな色、絵柄 | 白地に赤丸(ドッツ)
※ドッツの直径18~20mm |
| 数量(ドットの数) | 1~50まで | 1~100まで |
ドーマン博士の書籍『赤ちゃんに算数をどう教えるか』はドッツカードを手作りする前提で書かれており、ドッツカードのサイズやドット(丸)の色・サイズが指定されています。(※上の表をご参照ください)
なおドーマン方式のドッツカードは、かつて「家庭保育園」という家庭向け幼児教材セットの中の必須教材として販売されていましたが、現在「家庭保育園」は販売を中止。
正規品のドーマン式ドッツカードは一般には販売されておらず、メルカリなどで中古品を探すか、販売権を持っているスクールに入会するしか方法がありません。
一方、七田式に関しては『七田式ドッツセット』を用いた63日間のプログラムが組まれており、63日分が1日分ごとにセッティングされたドッツカードのセットを、七田式オフィシャルストアをはじめ、アマゾンや楽天でも手に入れることができます。
カードのサイズの違い
ドーマン式ドッツカードは280mm×280mmとかなり大きいサイズ。
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赤ちゃんが認識しやすいドッツのサイズを考えて作られているため、この大きさになっています。
慣れるまでは扱いづらく、めくりにくさを感じる方が多いかもしれません。
一方、七田式ドッツカードはA5判(148mm× 210mm)。
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キッズ ベビー 教材☆七田式(しちだ)フラッシュカード教材☆ 白紙カード(小)☆★
A4の半分の大きさなので、ドーマン式と比べるとかなり小さいです。
七田式では、ドッツ以外のフラッシュカードもおおむねこのサイズに統一されており、 個人的にはドーマン式にくらべるとかなりフラッシュがしやすいと感じています。
ドッツの色・絵柄の違い
ドーマン式ドッツカードのデザインは、赤ちゃんがドッツを認識しやすいよう白地に赤玉の1パターンのみ。
ドッツの大きさは18~20mmが推奨されています。

ドッツの色が赤なのは、赤ちゃんの未熟な視覚経路でも楽に見分けられるようにするため。
赤ちゃんは生まれてすぐは明暗くらいしか見分けられませんが、ドッツカードが使える生後3ヶ月ごろになると、白、黒に加え赤が認識できるようになります。
赤ちゃんが認識できる白・黒・赤の中でも目につきやすい赤に好んで反応するため、ドーマン式のドッツカードには赤丸が用いられています。
また乳幼児の視覚はピント調節がまだ未発達で、輪郭もややぼやけて見えているので、複雑な形よりも丸のようにシンプルな形である方が捉えやすく、ドッツカードの効果も高くなります。
一方七田のドッツカードは、ドッツ(点)自体がくだものや動物の絵など輪郭のあいまいな形になっているものもあり、シンプルな丸よりは認識しにくくなってしまいます。

※写真はイメージです
また背景もさまざまな色や絵になっていて、ドッツの認識しやすさよりも、子どもがカード自体に興味を持って見続けることができる工夫に重きを置いているのが七田式ドッツの特徴。
カード自体が子どもの興味を引きやすく、また日ごとに絵柄が変わるので目新しく飽きにくいというメリットがある一方で、背景の絵柄に注意をひかれて肝心のドッツに目がいかないという懸念も。
ドッツの数量の違い
ドーマン式ドッツカードは1~100まであるのに対し、七田式のドッツは1~50まで。
七田式の書籍『新版 ドッツの効果的な教え方』には、”ドッツを40あるいは50まで見せたら、それはもう100まで見せたのと同じこと。”という記載があります。
またドーマン式でも、”1から20までの量が認識できるようになると、それらの量を合わせれば別の量が生まれるということも理解し始める””(=足し算に入る準備が整った)と言われています。
100までのカードを見せなくても、ある程度の数量が理解できたら次の段階に進んでOK、という点ではドーマン式・七田式とも共通しています。
プログラムの進め方の違い
プログラムの進め方については、ドーマン式・七田式のいずれも、
の順に進んでいくという点では同じ。
しかしながら、それぞれの方式でカードの見せ方や、どこまでのレベルの数式を扱うかが違っています。
※スマホでご覧の方は、表を横方向にスライドできます。
| ドーマン式 | 七田式 | |
| 数量の認識 | 1日10枚(5枚×2セット×各3回、計6回見せる) | 1日10枚(1回でまとめて見せる) |
| 6日目~:新しいカードを2枚加えて古いカード(数の小さいもの)を2枚除く。※6日目:3~12,7日目:5~14 | 毎日、5枚ずつスライドして見せる。※1日目:1~10,2日目:6~15,3日目:11~20・・・ | |
| 数式 | 数式の内容をすべてドッツで見せる
例:「1+2=3」の場合 |
ドッツカードの裏に書かれた数式を読み上げ、答えを言う時にドッツを見せる。
例:「1+2=」→「3」●●● |
| 不等号(>・<)や6つの数学記号(+、-、×、÷、=、≠)のカードを用いて、等式もしくは不等式を作って見せる。 | 不等号(>・<)や≠は数式に用いない。 | |
| 数字を使った数式 | 数式と答えを書いたカードを用意して見せる。 | カードの表面に数式、裏面に答え(ドッツ)が描かれたカードを用いて、数式⇒答え(ドッツ)の順に見せる。 |
「数量」の見せ方
ドーマン式では、5枚のカード2セット×各3回ずつ、計6回見せます。
またドーマン式では、6日目からはカードを2枚ずつスライドさせていきます。
つまり、新しいカードを2枚加えて古いカード(数の小さいもの)を2枚除く、という要領で、6日目は3~12,7日目は5~14、8日目は7~16・・・というように少しずつカードを入れ替えていく必要があります。
一方、七田式では1日1回、10枚をまとめて見せるカリキュラムになっています。
七田式でもカードが毎日5枚ずつスライドされていき、1日目は1~10,2日目は6~15,3日目は11~20・・・と見せる数は変わっていきますが・・・
七田式ドッツセットでは毎日見せるカードがあらかじめ日にちごとにまとまってセットされているので、自分でカードをセッティングする煩わしさはありません。
「数式」の見せ方
ドーマン式では、数式の内容をすべてドッツで見せていきます。
例:「1+2=3」の場合
1(●),2(●●),3(●●●)のドッツカードを膝の上に置いておく。
「1」と言いながら「●」のドッツカードを見せてから、子どもに見えるよう床に置く
→「たす」と言ってから「●●」のカードを手に持ち、「2」と言いながらそのカードを見せて床に置く
→「は」と言ってから「●●●」のカードを手に持ち、「3」と言いながらそのカードを見せて床に置く
ドーマン式ドッツカードのメリット・デメリット
ドーマン式ドッツカードのメリット
何と言ってもドッツカードの元祖
ドーマン博士が提唱したドーマン・メソッドはドッツカードの元祖。
現在さまざまな幼児教室などで使われているドッツカードはドーマン式をもとに作られています。
実際、ドーマン式を参考にしながら独自の改良を加えた『七田式ドッツカード』ですが、ドーマン式にくらべるとカードの見せ方やプログラムの内容はかなり簡略化され、「いかに家庭で無理なく続けられるか」に焦点をあてて作られていると思われます。
赤ちゃんに数を教えるために「本気で取り組むなら本家本元のドーマン・メソッドで!」と思われる方も多いのではないでしょうか?
赤ちゃんが認識しやすい色・サイズ
ドーマン式ドッツカードは、生まれたばかりの赤ちゃんが最も認識しやすい大きさ・形・色を考えて作成されています。
ドッツの大きさは18~20mmと大きく、ピント調節がまだ未発達でも視覚的にとらえやすいシンプルな丸型。
またドッツの色は、赤ちゃんの未熟な視覚経路でも楽に見分けられる赤で統一されているので、乳児に対しドッツの取り組みを行うなら、高い効果が望めるドーマン式のほうがおすすめになります。
ドーマン式ドッツカードのデメリット
・事前準備が大変
ドーマン式では、見せるカードを毎日2枚ずつスライドさせたり、数式を見せるためにカードをセッティングする必要があるなど、かなり煩雑。
カードを見せる時間は一日数分ですが、見せるための準備がかなり大変なので、これが毎日となると、かなり強い意志を持って取り組まないと挫折してしまう可能性が高いのでは・・・!?と思われます。
またドーマン式ドッツカードのメソッドは、ドーマン博士の著書『赤ちゃんに算数をどう教えるか』に詳しく書かれているため、本書を読めば一通りのやり方がわかるようになっています。
しかしながら上でも述べた通り、ドーマン式のやり方は進め方がかなり煩雑で、本書を読んでもなかなかに分かりにくいのが実際のところ。
直接やり方を教えてもらえる場所も少ないので、慣れるまでは著書と首っ引きで取り組むことになるかもしれません。
・カードが手に入りにくい
ドーマン式の正規品のドッツカードは、現在は一般には販売されておらず、販売権を持っているスクールに入会するか、メルカリなどで中古品を手に入れるしかありません。
七田式ドッツセットがオフィシャルストアのほか楽天、Amazonでも簡単に手に入れることができるのと比べると、やや敷居が高くなってしまいます。
ドーマン式ドッツカードはこんな人におすすめ
ドーマン式ドッツカードをおススメしたい人
・ドッツカードの本家本元のやり方で取り組みたい人
・0歳児にドッツカードを見せたい人
・ドッツカードの作成・準備に手間や時間をかけられる人
七田式ドッツカードのメリット・デメリット
七田式ドッツカードのメリット
・準備いらずで挫折しにくい
七田式ドッツセット最大のメリットは、何と言っても取り組みやすさ。
63日分が1日ごとにセットされており、その日の分を取り出すだけで準備はOK。
ドーマン式のような準備の煩雑さは一切ないので、挫折することなく続けられる、というのが一番のポイントです。
・フラッシュしやすいサイズ
七田式ドッツセットのサイズはA5判。
七田式・ドーマン式いずれも使用した経験のある私の個人的な感覚では、フラッシュのしやすさは段違いに七田式の方が上。
ドーマン式の大きなカードで1枚1秒以下のスピードでフラッシュするには、かなりの熟練が必要になるかと思われます。
・子どもの興味をひき飽きにくい
ドッツカードの取り組みは毎日行うので、同じカードばかりだとどうしても子どもが飽きてしまうことも。
その点、七田式ドッツセットのカードにはさまざまな色・絵柄が使用されており、集中力が続きにくい子でも楽しんで見てくれるよう工夫が凝らされています。
七田式ドッツカードのデメリット
・絵柄によってはドッツを認識しにくい
上で述べたメリットの裏返しになりますが、七田式ドッツセットのカードにはさまざまな色・絵柄が使用されているので、子どもの興味を引き飽きにくい反面、絵柄によっては背景に目が行き、肝心のドッツが目に入りにくくなってしまう可能性も。
またドーマン式のドッツが赤丸なのに対し、七田式ではドッツ自体が生き物や果物などのイラストになっているものもあり、シンプルな丸にくらべると輪郭がはっきりせず、小さな子には認識しにくくなってしまうというデメリットがあります。
・ドッツの数量は50までしかない
ドーマン式のドッツが100まであるのに対し、七田式のドッツは50まで。
七田式のカードはA4判とサイズが小さいため、100までのドッツが入りきらないという事情もあるかと思います。
しかしながら先に述べた通り、100までのカードを見せなくても、ある程度の数量が理解できたら次の段階に進んでOK、という点ではドーマン式・七田式とも共通しているため、「どうしても数量として100まで見せたい」、という場合でなければ、ドッツで数概念を学ぶにあたっては問題ないかと思います。
七田式ドッツカードはこんな人におすすめ
七田式ドッツカードをおススメしたい人
・取り組み準備に時間や手間がかけられない・かけたくない人
・とにかくドッツの取組を挫折せず継続させたい人
・2歳児より上のお子さんに取り組みをしたい人
最後に
『ドーマン式』と『七田式』、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いと一概には言えません。
各メソッドについてさらに詳しく知りたい方は、関連記事:ドッツカードの効果的なやり方を、ドーマン博士の『赤ちゃんに算数をどう教えるか』から学ぶ!や、関連記事:七田式ドッツカードの63日プログラムとは。『新版 ドッツの効果的な教え方』よりも参考にしてみてくださいね。
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