「数」の概念を学ぶときに子どもがつまずきがちな言葉とは?

幼児期に新しい概念を学ぶときに、理解の過程で「ことば」が原因でつまずいていることが良くあります。

お子さんがいくら教えてもなかなか概念を理解できないという場合、もしかしたら「ことば」の意味が分かっていないことがネックになっているのかもしれません。

その場合は、子どもにもわかりやすい表現に置き換えてあげることと、その言葉の意味を生活の中で体感できるような場面を意識してつくってあげることが必要になります。

今回は、「数」の概念を学ぶ際に子どもたちがつまずきがちな言葉を、教室のレッスンでの私の体験を踏まえてご紹介します。

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子どもが「かず」の概念を学ぶときにつまずきがちな言葉3つ

 

①「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」

2〜3歳児さんくらいの子どもに「おはじきを3つ取って」と言ったときに正しく3個取れない場合、「3」という数をまだ理解できていない場合が多いです。

「いち、に、さん・・・」と数える(計数)ことはできるけれど「ぜんぶで3」(基数性)がわからないことも。

しかしながら、単に「みっつ」が「3個」という意味だと分かっていない場合もあります。
(「3つ取って」はわからないが「3個取って」はわかる。)

その場合は「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・ここのつ、とお」が「1、2、3・・・9、10」と同じであることが理解できるよう、普段から「キャンディー、3個あげる」と「キャンディー、みっつあげる」の両方のパターンの語りかけを意識するようにしましょう。

②「ずつ」

かけ算の基礎は、1当たりの数×いくつ分=全体の数。
例えば車3台分のタイヤの数は、4(車1台当たりのタイヤの数)×3台分=12です。

このことについてレッスンで学ぶ際、「キャンディーを1人2個ずつ3人に配ると、キャンディーは全部で何個いるかな?」などと、キャンディーに見立てたおはじきを、3枚のお皿に配ってもらうことがあります。

その時に、3枚のお皿全部にではなく1枚にだけおはじきを2個入れて、「できた!」と言う子がいます。
”2個ずつ”の「ずつ」の意味が、分かっていないのですね。

それまでの生活経験の中で、みんなで何かを同じ数ずつ分ける等の経験がないと、意外にも”ずつ”の意味が分からないままきてしまう場合があります。

日常生活の中で「ずつ」の意味を理解できるよう、家族全員に何かを同じ数ずつ配る等の経験を意識してさせてあげましょう。

③「ちがい」

子どもにとって、数の「ちがい(差)」という目に見えない抽象的なものを理解するのはたいへん難しいことです。

例えば赤いおはじき3個と青いおはじき5個を見せて「いくつ違う?」と聞いた場合、何を聞かれているのかわからなくて「???」となってしまいます。

赤いおはじきと青いおはじきの数の「ちがい(差)」を尋ねる場合には、

*赤と青の「差」はいくつ?
*赤と青の「違い」はいくつ?
*青のほうがいくつ多い?(赤のほうがいくつ少ない?)
*青のほうがいくつ余る?(赤のほうがいくつ足りない?)

など、いろいろな表現の仕方がありますが・・・

「違いはいくつ」と聞かれてわからない場合でも、「余る」「足りない」という表現を用いて尋ねると、問われていることの意味がわかることもあります。

子どもにも親しみのある「余る」「足りない」という言葉から、「あまった(足りない)数」=「差」というふうに結び付けていくことが、「差」の理解につながります。

なので、日常生活の中で「お皿の数に対してスプーンが1つ足りない」や、「家族全員におやつを配ると1つ余る」のような体験から、目に見えない「違い(差)」という抽象的なものを、目に見えるもので具体的に体感させてあげことが必要になります。

最後に

このように、子どもが「かず」の概念を学ぶ際につまずきがちな言葉はいろいろとあります。

日常生活の中で「かず」をあつかう場面を多くもつこと、その際に、「かず」に関わる言葉の意味を理解し身につけられるよう、意識して言葉がけをしてあげることが大切です。

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