2〜3歳児さんの『数字のおもちゃ』は、数字が読めるようになるだけでは意味がない!

たとえお子さんが1から10までの数字を読めていても、必ずしも10までの「かず」を理解しているとは限りません。

お子さんがひらがなを読めるようになるのと同様に、数字が読めるようになるのは素晴らしいことですが、重要なのは「数字」の意味を理解して、「数字」と「かず」(量)が結びつくことです。

教室の2〜3歳児さんクラスでも『数字』のおもちゃを使った取組を行いますが、それは単に数字が読めるようになることではなく、「かず」の理解と結びつけることが大きな目的です。

今回は、2~3歳児さんクラスのレッスンで使用している『数字のおもちゃ』をご紹介します。

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2〜3歳児さんのレッスンで『数字のおもちゃ』を取り入れる目的

上で述べたとおり、例えお子さんが1から10までの数字を読めていても、「数字」と「かず」が結びついていない、すなわち「数字」を単なる”記号”としてしかとらえていない状態では、数字の意味を理解していることにはなりません。

これは、いくら100まで数えられる(数唱ができる)からといって、100までのかずを理解できている訳ではないのと同じことです。

「いち、に、さん・・・」という”数詞”と、「1,2,3・・・」という”数字”が「かず」をあらわしていることを理解できる、つまり、具体的なものの集合と、数詞と、数字を結びつけられる(●●●=さん=3、がわかる)ことが重要になります。

すなわち、2〜3歳児さんクラスのレッスンで『数字のおもちゃ』を取り入れる目的としては、

・数字に触れ、数字に親しむこと

・数字と、実際のもの(具体物)や絵(半具体物)を対応させることにより、数字の意味を理解する(量感を身につける)こと
この2つが大きな目的となります。

2〜3歳児さんのレッスンで使用している『数字のおもちゃ』

Match & Count First Counting Puzzles

『 Match & Count First Counting Puzzles』は2ピースのパズル。
片方のピースには1~20までの数字が、もう片方には、数字と同じかずの絵が描かれています。
対象年齢は3歳~ですが、教室では2歳児さんクラスのレッスンで使用しています。


オーチャードトーイ (ORCHARD TOYS) マッチ&カウント パズル

「数字」と「かず」をマッチングさせるとパズルが完成!
どのピースでも合いそうに見えますが、正しくマッチングしないと微妙に合わないようになっています。

2歳児さんクラスでは、2ピースの絵合わせパズルとして、色を手掛かりにペアを見つけてマッチングをします。

たくさんの中からおなじ色を見つけることで、「同じ色」の理解や、たくさんの中から目当てのものを見つける注意力・観察力、また、うまくピース同士をはめこむことによる指先トレーニングが主眼となりますが、完成したパズルを見て「数字」に親しむことも目的です。

徐々に、「数字」を読んで、合う「かず」のものを見つける、もしくは絵の「かず」を数えて、その数をあらわす「数字」を見つける、という風に、「数字」と「かず」を結びつけることを目的として取り組んでいきます。

カウンティングスタッカー

Hape社の『カウンティングスタッカー』は、4本の棒に4色のビーズをさして遊ぶおもちゃ。
台に1~4までの数字が書いてあり、数字と同じ色のビーズをさしていくと、数字とビーズの数が一致するようになっています。

1~4までさし終わったものを見ると、ビーズの高さがだんだん高くなっているのがわかります。
1よりも2、2よりも3が多い、というように、数字と量の関係を自然に認識することに。

「いち」という「数詞」と、「ビーズ1個」という「量」、そして「1」という「数字」、この「数・量・数字の一致」ができるようになることを目指していきます。

フィッシングボート

エドインター社の『フィッシングボート』は、マグネットのついた釣り竿で、お魚を釣り上げて遊ぶおもちゃ。
フィッシングボートに可愛いクマさんのついた釣り竿が2本と、カラフルなお魚が10匹、セットになっています。


フィッシングボート

マグネット付きのさかなつりゲームはいろいろありますが、この『フィッシングボート』のいいところは、お魚に1から10までの数字と、裏面には数字と同じ数のドット(●)が描かれていること。
魚つりゲームを楽しみながら、”かず”に親しむことができるのです。

教室では2~3歳児さんクラスのレッスンで、子どもの数の理解度に合わせて、以下のように行っています。(目安:2歳児さんなら5まで、3歳児さんなら10までを使って)

数がまだ完全に理解できていない場合

・お魚を、●(ドット)の面を向けてバラバラに置いておく。
・「●が1つなのはどれかな?」「2つはどれかな?」と順番に選ばせ、1から順に並べていく。
・わからない数は、●(ドット)を数えて確かめさせる。
・並べたお魚を、1から順に釣らせる。
数が理解できている(数を数えて、”ぜんぶでいくつ”がわかる)が、数字と結びついていない場合

・お魚の●(ドット)の面を見て、1から順番に並べさせる。
・並べたお魚を裏向きにして数字を確かめ、1から順に釣らせる。
数が理解でき、数字ともマッチングができている場合

・数字の面を向けてバラバラに置いたおさかなを、1から順に釣らせる。

・・・というように、1~10までの数の理解と、数字とのマッチングをねらいとした取組をしています。

1歳児さん位で、まだ数の概念はこれから・・・という場合には、釣るお魚の色を指定して釣らせることもできますね。

最後に

数字が読めるからといって「かず」が理解できているとは限りませんが、数字が読めることは「かず」を理解するうえでは有効です。
ぜひ、遊びをとおして数字に親しむ機会をつくってあげましょう。