「図形が苦手」な子どもにしないために。おうちでパズルや積み木に取り組む時に意識したい3つのポイント

「うちの子は私に似て図形センスがない・・・」というお母さまの声をよく聞きます。
しかしながら、『図形センス』は生まれながらのものだからどうしようもない、という訳ではありません。

幼少期にいかに積み木やパズル等の図形的刺激に触れたか、すなわち「経験」が大きくモノを言うのです。

『図形センス』を育むべく、おうちで”図形”的課題に取り組む時に意識していただきたいポイントがあります。

子どもの図形センスを高めるために。『図形』的課題への取り組みで意識したいポイント3つ

『図形センス』を高めるためには、幼児期~小学校低学年くらいの時期に図形的刺激にたくさん触れることが大事

そのため生徒さんのお母さま方には、ご家庭でもできる限りパズルや積み木、折り紙などで遊んでいただくようお伝えしています。

家庭でできる『図形』的な取組の中でも、たとえばレゴやラキューなどで好きなかたちを作って遊ぶ、といういわゆる”構成遊び”では、子どもの思うまま自由にたくさん遊ばせてあげていただきたいのですが・・・

自由に好きなかたちを作って遊ぶのではなく、タングラムなどでお手本と同じかたちを作るといった、いわゆる”図形パズル”的課題に取り組む際に、気をつけていただきたいポイントが3つあります。

これらのポイントを意識するかしないかで、子どもが図形センスを高められるかどうかが変わってきます。

①とにかく、手を動かすよう促す。

図形パズルでむずかしい問題になるとつい手が止まってしまいがちですが、「考える時は手を動かす」が鉄則です。

りんこ
日頃から、レッスンでも「わからないときは、まず手を動かしていろいろやってみよう」ということをよく言っています。

頭の中だけで考えていても限界があり、考えているようで何も考えていない、という状態におちいりがち。

「わからない~~」と頭の中でじっと考えているよりも、とにかく手を動かしていろいろと試行錯誤してみることはとても大事です。

お子さんの手が止まってしまっているようでしたら、「間違っててもいいからとりあえず置いてみたら?」とか「ぐるぐる回してみようか」などと声をかけてあげてください。

やみくもに手を動かしているうちにたまたまピタッとはまった、というのはラッキーなだけかもしれませんが・・・

それが経験値として積み重なっていき、だんだん「ここには、この形が入るな」などと、頭の中でイメージができるようになります。

そうなれば、”やみくもに”ではなく確信を持って手を動かすことができるようになってくるのです。

なお、この「考える時は手を動かす」というのは図形問題に限りません。

小学生になると、それまで具体物を使って考えていたところから、紙の上の抽象化された問題に取り組むことになります。
その場合にも、頭の中で考えたことを図や絵にして可視化することはとても大切です。

算数の文章題など、問題文を読んで頭の中で考えただけではわからない場合でも、絵をかいたり線分図にしてイメージ化することで理解しやすくなります。

②子どもができるまで、あせらず待つ。

この「待つ」ということが、お母さまにとっては難しいかと思います。

なかなかできないお子さんを見ているとイライラしてつい「こうでしょ!」と手を出してしまう、という声をよく聞きます。

りんこ
その気持ちはとってもよくわかりますが・・・

そこは、ひたすらガマンです。

お母さまがしびれを切らして答えを教えてしまったら、お子さんが自分で考え図形センスを身につける機会をうばってしまいます。

とはいえ、いったいいつまで待てば・・・!?という声が聞こえてきそうですが、お子さんが集中して取り組んでいる間は、いつまででも待ってあげていいと思っています。

うは言っても、お子さんが集中をキープできる時間はそうそう長くはないので、そのうち集中が切れて意識が遠いところにいってしまったり、イライラし出したりしてくると思います。

そうなったら、「これは、こうかな?」とパズルの1ピースだけを置いてあげるなど、ヒントを出してあげてくださいね。

それでも集中が途切れてしまっているなら「今日はここまでにしようか」と切り上げましょう。

ダラダラ続けていてもお互いイライラするばかりでいいことはありませんので、別の機会に再度チャレンジするようにしましょう。

③親もいっしょに考える。

教室のレッスンでは図形の課題に粘り強く取り組んでくれている子でも、「家では全然です・・・」というケースが多いです。

レッスンでは、「今は取り組むべき時」という気持ちの切り替えができているので子どもも頑張れますが、おうちではそういうメリハリがききません。

また、テレビやゲームなど楽しいものがたくさんある環境では、よっぽど図形が好きな子でなければ、わざわざむずかしい図形課題はやりたくない、というのもわかります。無理矢理やらせようとしても乗ってこないでしょう。

そんな時は、お母さまが自ら楽しそうにパズルに取り組んでいる姿を見せてあげることで、お子さんが興味を持つよう仕向けてみましょう。

お子さんが取り組んでいるのを側で見ているとついイライラしてしまう、という方も、見ているだけではなくいっしょにやってみてください。

りんこ
同じものがふたり分用意できるようなら、どっちが早くできるか勝負!というのもいいですね。

タングラムなどの図形パズルは、子どもが取り組むものだからといってバカにはできず、意外と難しいものです。

なんなら、親御さんよりもお子さんのほうが感覚的にぱぱっとできてしまう、というような場合もあると思います。

お子さんも、自分だけがやらされているのではなくお母さまも一生懸命考えていると思うとやる気が出ますし、お母さまができなかったむずかしい課題を自分ができた!となれば、自信もつきます。

お母さまがご自身で取り組んでみることで「すごく難しい課題にチャレンジしていたんだな」ということが実感でき、お子さんができなくてもイライラすることがなくなるという効果も。

もしかしたら、子どももに興味を持たせるのが目的だったのにお母さまがハマってしまった、なんていうこともあるかもしれませんね。

最後に

上に述べた「おうちで”図形”的課題に取り組む時に意識していただきたいポイント」は、図形に限らず、幼児さん~小学校低学年の家庭学習全般にもあてはめることができますので、意識して取り組んでみてください。

なお、おうちでできる図形(かたち)の取組のヒントや、おすすめのおもちゃ・知育玩具に関してもいろいろと記事を書いていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

◆図形(かたち)に関するおうち知育のヒント:記事一覧はこちら

◆図形(かたち)のオススメおもちゃ・知育玩具・教材など:記事一覧はこちら