算数が得意な子に育てるには、抽象的な「数」というものを、実際のもの(具体物)をとおしてをあつかう体験をたくさんすることが重要。
そのための教材としてメジャーな例が百玉そろばんですが、逆に、百玉そろばん以外に、幼児さんが数概念を学べる教材がとても少ないというのが私の実感。
そんな中、幼児さんが数概念を学べるレアな教材としておすすめしたいのが『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』。
百玉そろばんと同様、目に見えない”数”という抽象的なものを、目に見える具体的なものと結びつけて理解するのに有効なツールです。
実は、私がこちらの商品を購入したのは2014年のことなのですが、それ以降、この『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』以上の「数」の教材を見つけられていません。
今回は、
- 『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』で学べること
- 『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』をおススメする理由
- 『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』のデメリット
についてご紹介します。
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』とは
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』の中身
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』の中身をご紹介します。
なお現在販売されているものは、私が購入したものからリニューアルされているようですが、パッケージやボードの色以外、内容はほぼ変わっていないようです。
※以下でご紹介する写真は私が2014年に購入した旧バージョンなので、ボードの色など現在のものとの違いがあります。最新の情報は必ず商品ページにてご確認くださいね!
●木製ボード
●木製バー(1~10)各2本 ※表面:数字、裏面:くまのイラスト
●木製のおはじき 20個
●数字カード 21枚(0~20まで)
●足し算カード 1枚・引き算カード 1枚
(表面)
(裏面)
●目盛りカード 2枚
●ガイドブック 1冊
●がんばったねシール 1枚
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』で学べること
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』学べる内容は以下のとおり。
・数を数える(計数)
・数を数字で表す(三者関係)
・数を比べる(大小比較)
・数を順に並べる(数系列)
・順番を数える(順序数)
・数を合わせる(合成)
・数を分ける(分解)
・遊んでみよう(5までの数)
・遊んでみよう(10までの数)
・数式を使った足し算、引き算
・10以上の数のしくみと足し算
数を正しく数える(計数)
①指定されたおはじきの数を数える
あらかじめ取り出しておいたいくつかのおはじきを、ボードの上に並べながら数えます。
「数を正しく数える」とは、数える対象のモノ1つに対し、数詞(いち、に、さん・・・)1つを正しく当てはめること。
すなわち、モノと数詞を「1対1対応」させることです。
数唱ができていたとしても、ちゃんと1つのおはじきに1つの数詞をあてはめて数えられているかどうかがポイントです。
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』では、ボードにおはじきをはめ込む溝が10個あり、そこに1つ1つおはじきをはめ込みながら数えることができるので、同じものを何度も数えたり、逆にとばしたりすることなく数えられます。
おはじきを正しく数えられたら、「ぜんぶでいくつだった?」と聞いてみましょう。
正しく数えられていたとしても、「ぜんぶでいくつ?」に答えられないことがあります。
例えばおはじき5個を「1、2、3、4、5」と正しく数えて、最後に言った数が、そのおはじき全体の量をあらわしていることがわかる、ということです。
➁たくさんのおはじきの中から、指定された数を取り出す
たくさんのおはじきを広げて置いた中から、指定した数のおはじきを取り出させます。
数えることに「おはじきをたくさんの中から取り出す」という作業をともなうと、「〇個を取り出す」という本来の目的を忘れてしまいがちになり、あらかじめ取り出しておいたおはじきの数を数えるよりもむずかしくなります。
モノ・数詞・数字を一致させる(数の三者関係)
木製のバーにかかれたくまさんの絵の下に、くまさんと同じ数のおはじきを「いち、に、さん」と並べます。
おはじきが並べられたら、くまさん(おはじき)と同じ数の数字のバーを並べて置き、長さが揃っていることを確かめます。
実数(●●●)・数詞(さん)・数字(3)の三者関係を一致させることで、「3」という数が正しく理解できたことになります。
数を比べる(大小比較)
好きな木製バー1本と、適当に取り出しボードの上に広げたおはじきの数の多少を比較します。
「おはじきとくまさん、どっちが多いかな?」
子どもが答えたら、ボードの左上の端(数字が書かれている部分の下)にバーとおはじきを揃えて並べ、どちらが多いかを確認させます。
”どちらが多いか”(数の多少の比較)を考える時の基本は「1対1対応」。
くまの絵1つとおはじき1つが対応するようにきちんと並べて、余っているほうが多く、足りない方が少なくなります。
数字の大小、順番の理解(数系列)
木製バー(くまの面)を、くまの数が少ない順に並べます。
くまの数が1つずつ増えて、階段にように並んでいることを確かめたら、バーを裏返して数字の面を向けます。
1~10までの数字の順に、量(くまの数・バーの長さ)が増えていくことが感覚的に理解できます。
順番を数える(順序数)
右・左から〇ばんめ
10の木製バー(くまの面)をボードの一番下に置きます。
おはじきをりんごに見立て、「右から3番目のくまさんにりんごをあげよう」等と発問して、ボード下の溝におはじきを置かせます。
上・下から〇ばんめ
10個のおはじきをボードの端に縦1列に並べます。
くまの面を向けた1のバーを用いて、「上から3番目のりんごを食べちゃおう」などど発問し、指示した場所のおはじきの上にくまさんのバーを置かせます。
数を合わせる(合成)
「くまさんが4頭いました」
「そこにもう1頭やってきました」
「くまさんは合わせて何頭かな?」と聞き、数字の面を向けたバーの中から合うものを選ばせます。
子どもが選んだバーを、くまさんのバーの上に置き、長さが合っていることを確かめたら・・・
くまのバーを裏返して数字の面を出し、「4と1で5」となることを数字で確かめます。
数を分ける(分解)
「りんごが5こあります。」
「くまさんが1頭やってきたよ。りんごをくまさんにあげよう。」
「残ったりんごはあと何個かな?」
「あと4個あるね。同じ数のくまさんにあげよう。」
「5個のりんごが、1個と4個に分かれたね。」
『数の構成』(数がいくつといくつで出来ているか)は、足し算や引き算の基礎となるたいせつな概念。
例えば、5は4と1に分けられる(5の分解) = 4と1で5になる(5の合成) = 「4+1=5」です。
10の構成(いくつといくつで10?)
全てのバーを以下のように並べます。
「9といくつで10になる?」と聞き、子どもが答えたら、裏返して、答えを確認します。
また、数字のバーを1~10まで順番に並べ、10になるにはあといくつ足りないかを考えて、全部が10のバーと同じ長さになるように足りない分のくまさんのバーを置いていってもOK 。
「10の構成」(合わせて10になる数の組み合わせ)は、繰り上がりのある足し算・繰り下がりのある引き算に必要な、大切な概念です。
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』をおススメする理由
数詞・数字と・数量をマッチングさせられる
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』では、10までの数を、数詞・数字・数量(おはじき・くまの数、棒の長さ)の三者を一致させて理解することができます。
数量感をともないながら数概念を理解する教材といえば『百玉そろばん』がありますが、数字が書かれているものは少なく、三者(数詞・数字・数量)ではなく二者(数詞・数量)のマッチングとなるものがほとんど。
百玉そろばんは、100までの数を10ごとのまとまりで理解したり、玉をすばやく動かすことで右脳的にインプットするのに適したツールですが、10以下の数の三者関係をじっくり理解するには『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』が優れていると言えます。
※百玉そろばんを用いた数概念の理解については、こちらの記事で詳しくご紹介しています>>>関連記事:『百玉そろばん』オススメの使い方は?0〜6歳さん向けの効果的な使い方をご紹介します。
『百玉そろばん』は、目に見えない”数”という抽象的なものを、具体的に目に見えるものと結びつけることで、数概念の理解をうながすのに有効なツール。 しかしながら、「実際に『百玉そろばん』をどのように使えば良いのか?イマイチよく分からない・[…]
おはじきを枠にはめて数えることで正しい計数(一対一対応)がしやすい
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』では、おはじきをボードの枠にはめこみながら数えることで、数量感覚をともないながら数を数える(計数)ことができるようになっています。
このように、子どもが手を動かして実際ものを数えながら数唱とマッチングさせていくという取組は百玉そろばんでも行うことができますが・・・
百玉そろばんでありがちなのが、子どもがそろばんの玉を1個ずつ動かさずに、何個もまとめて動かしてしまうこと。
その点『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』では、10以下の数に関しては、おはじきをボードの枠に1個1個はめこんでいくスタイル。
まとめて何個もいっぺんにはめ込むことができませんので、数唱と数量(おはじきの数)がマッチしやすくなります。
すなわち10以下の数を数える場合、百玉そろばんよりも『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』のほうが一対一対応がしやすく正しく数えやすいというメリットがあります。
あつかいやすい木製バーで、数をまとまりで把握できる
百玉そろばんは10のまとまりが作りやすく、「10が5個で50」「10が10個で100」というように、10のまとまりで100までの数を捉えやすいというメリットがあります。
しかしながら、1つ1つの玉がばらばらになっているため、10以下の数をまとまりで操作するのが少し難しくなります。
その点『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』では、木の棒(バー)でそれぞれの数量がまとまっているため、10以下の数をまとまりで把握しやすいというメリットがあります。
バーの長さが数の大きさを表していているので数の量感をつかみやすく、たとえば”5は10のはんぶん”等、数と長さの関係から感覚的に数に対する理解を深めることができます。
10までの数の概念を理解する段階の2~3歳児さんにとっては、『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』のほうが取り組みやすいかもしれません。
くわしいガイドブックつきで、取り組み方に悩まない
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』には、上でご紹介した述べた、『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』で学べること全ての具体的な取り組みが書かれた、詳しいガイドブックがついています。
この教材の取り組み方だけでなく、子どもが数の概念を学ぶ時に大切なポイントが理解できるので、親御さんはこのガイドブックをしっかり読み込んで理解しておくことで、日常生活での声掛けや、他の教材を用いた取り組みにも活かすことができます。
なおガイドブックの裏表紙は、添付の「がんばったねシール」を貼るシートになっています。
で
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』のデメリット
サイズが大きくパーツが多い→かさばる、収納に困る
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』は、ボードのサイズが26.2cm×32.5 cmmとかなり大きく、重さもあります。
また木製バー20本におはじき20個・・・と、付属パーツの数も多くかさばるため、収納しにくいのが難点。
逆に言えば、木製のしっかりした作りで安っぽさがなく、少々のことでは壊れたりしない安心感があるのがよいところ。
また木製のバーやおはじきもしっかりと厚みがあるので、小さい子でも扱いやすいというメリットも。
「子どもが一人で遊びながら・・・」ではなく親が一緒に取り組む必要あり。
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』は、お子さんに買い与えるだけでは単なる積み木や型はめ遊びになってしまい、「数の概念を理解する」という目的を達成することはできません。
かならず親御さんが一緒に取り組み、必要な発問や働きかけを行わなくてはなりません。
「子どもが勝手に遊んでいるうちに、自然に数の概念が身につく」というわけではありませんので、その点は注意が必要です。
まとめ
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』は、数の概念を理解しはじめの2~3歳児さんを含めて、就学前の幼児さんが10以下の数概念や数の合成・分解を学ぶのにピッタリの優れた教材。
「いーち、にー、さーん」と数を唱えたり数字を読めるようになるだけでなく、しっかりと数量感をともなって数を理解させたいという方にはとてもオススメです。
『百玉そろばん』は、目に見えない”数”という抽象的なものを、具体的に目に見えるものと結びつけることで、数概念の理解をうながすのに有効なツール。 しかしながら、「実際に『百玉そろばん』をどのように使えば良いのか?イマイチよく分からない・[…]
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